目次
- 1. 内装制限とは?その目的と重要性
- 2. 内装制限の対象となる箇所|パーティション工事で注意すべきエリア
- 3.内装制限で使用できる材料|パーティション選定のポイント
- 4. 内装制限の適用範囲|オフィス・商業施設別の基準
- 5. 内装制限の緩和条件とその活用方法
- 6. 内装制限を守らないとどうなる?違反時のリスク
- 7. パーティション工事で気をつけるべき内装制限のポイント
- 8. オフィス工事における内装制限の具体的注意点
- まとめ|パーティション工事は「内装制限」を正しく理解して安全な空間を設計しよう!
オフィスや商業施設などの建築物では、火災時の安全性を確保するため、内装制限が建築基準法や消防法によって定められています。
特に、間仕切り壁やパーティションを設置する際には、これらの規制を正しく理解し、適切な材料・工法を選択する必要があります。
本コラムでは、「内装制限」の基本から、「パーティション工事」における注意点、「消防法」との関係までを詳しく解説します。オフィスの移転やレイアウト変更などのリニューアルを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
1. 内装制限とは?その目的と重要性
内装制限は、建築基準法第35条や消防法によって定められた、建物内部の防火規制です。主な目的は以下の通りです。
- ●火災時の延焼防止(燃え広がりを抑える)
- ●有毒ガスや煙の発生抑制(避難経路の確保)
- ●避難者の安全確保(内装材の不燃化)
特に、オフィスや商業施設など不特定多数が利用する建物では、内装制限を遵守しないと、消防検査で是正指導を受ける可能性があります。
2. 内装制限の対象となる箇所|パーティション工事で注意すべきエリア
内装制限が適用される主な場所は以下の通りです。
避難経路(廊下・階段・出入口)
非常口や通路には、燃えにくい材料(不燃材・準不燃材)を使用する必要があります。パーティションで通路を塞がないように注意が必要です。
天井・壁面
天井や壁に可燃性の材料を使用する場合、面積制限が設けられています。特に、高層ビルや地下街ではより厳しい基準が適用されます。
間仕切り壁・パーティション
可動式パーティションでも、防火区画としての役割を果たす場合は、不燃タイプのパーティションを使用しなければなりません。
3.内装制限で使用できる材料|パーティション選定のポイント
内装制限を満たすためには、以下のような材料を選ぶ必要があります。
材料の種類 | 特徴 | 適用例 |
---|---|---|
不燃材料(コンクリート、ガラス、金属) | 火災時に燃えない | 耐火構造の壁、防火シャッター |
準不燃材料(石膏ボード、特定の木材) | 一定時間の耐火性能あり | 間仕切り壁、天井材 |
難燃材料(難燃合板、防火処理されたクロス) | 炎が広がりにくい | オフィスパーティション、デスクパネル |
パーティションを選ぶ際は、「防火性能」を確認し、建築物の用途や規模に合わせた材料を選定しましょう。
4. 内装制限の適用範囲|オフィス・商業施設別の基準
内装制限の厳しさは、建物の用途や規模によって異なります。
(1)オフィスビル(事務所)
3階以上または延床面積500㎡超の場合は、主要な壁・天井に不燃材料を使用。可動式パーティションは「準不燃材料」以上が推奨されます。
(2)商業施設(店舗・飲食店)
不特定多数が利用するため、より厳しい基準が適用。厨房周辺は特に耐火性の高いパーティションが必要です。
(3)病院・学校・ホテル
避難に時間がかかるため、内装材の制限が強化されます。
5. 内装制限の緩和条件とその活用方法
内装制限には一部、緩和措置が認められる場合があります。例えば以下のようなケースです。
- スプリンクラー設備の設置
- 自動火災報知設備の導入
- 使用面積や用途に応じた制限の緩和
緩和措置を活用することで、設計の自由度を保ちつつ安全性を確保できます。必ず建築士や専門業者と相談しながら対応しましょう。
6. 内装制限を守らないとどうなる?違反時のリスク
内装制限を無視した場合、以下のような問題が発生します。
- ●消防検査で是正命令(改修工事の強制)
- ●保険適用の拒否(火災時の補償が受けられない)
- ●罰則の可能性(建築基準法違反で罰金)
特に、賃貸オフィスで内装工事を行う場合は、大家や管理会社への確認が必須です。
7. パーティション工事で気をつけるべき内装制限のポイント
パーティションを設置する際は、以下の点に注意しましょう。
- ✔ 防火性能を確認(不燃・準不燃材料を使用)
- ✔ 避難経路を塞がない(可動式でも固定式でも通路確保)
- ✔ 消防法に準拠した施工(自治体の基準を確認)
- ✔ 専門業者に相談(間仕切.jpのような実績豊富な会社を選ぶ)

8. オフィス工事における内装制限の具体的注意点
オフィス工事においてパーティションを新設・改修する場合、内装制限への対応は単なる法令順守にとどまらず、働く人の安全性や生産性、さらには建物全体の運用効率にも直結する重要課題です。
この章では、特にオフィスにおけるパーティション工事で注意すべき内装制限の実務的なポイントについて、設計者・施工担当者・企業担当者それぞれの視点から解説します。
オフィスでは、組織再編や働き方改革の一環としてレイアウト変更が頻繁に発生します。ところが、過去に設置された内装材やパーティションが現在の内装制限に適合していないケースも少なくありません。
(1)レイアウト変更に伴う「既存不適合」の解消が必要
とくに1980年代〜2000年代初頭に設置された旧式パーティションの中には、難燃性能が明示されていない材質や、通路幅を圧迫するレイアウトがそのまま残っていることもあります。内装制限の基準は時代とともに強化されているため、リニューアル時には「既存不適合」の可能性も含めて再チェックが必要です。
(2)不燃・準不燃ラベルが貼られているかを確認する
パーテーションとして不燃材料を使用する場合、国土交通大臣から認定を受けた材料で、認定番号が発行されています。市販されている製品の中には、表面仕上げが不燃であっても内部に木材など可燃性素材が使われているものもあり、誤って使用すると内装制限違反となる恐れがあります。
- 不燃材料:○○-NM-XXXX(例:NM-1234)
- 準不燃材料:○○-QM-XXXX
- 難燃材料:○○-RM-XXXX
不燃材料は「NM」、準不燃材料は「QM」、難燃材料は「RM」の記号が頭に付く4桁の番号で表示されます。
例えば、間仕切.jpのアルミパパーティションは、品質性能試験をクリアした正規の不燃認定製品(認定番号 NM-2943)です。難燃性のコアを採用し高い不燃性能を誇る不燃アルミパーテーションもラインナップしていますので、設置場所や運用シーンによって検討が可能です。
(3)オフィスの用途別に求められる基準が異なる
一口に「オフィス」といっても、実際には用途によって内装制限の厳しさが異なります。例えば、下記のような差異があります:
オフィスの形態 | 内装制限の厳しさ | 備考 |
---|---|---|
通常の事務所(社員のみ) | 中程度 | 準不燃材料で十分なことが多い |
シェアオフィス・コワーキング | 厳しい | 不特定多数の利用を前提とするため、より高い防火性が必要 |
コールセンター・24時間稼働施設 | 高い | 長時間滞在や就寝可能性あり、避難経路確保が重要 |
地下階にあるオフィス | 非常に厳しい | 避難困難なため不燃材料が原則 |
設計段階で用途を明確にし、用途に即した防火区画や仕上げ材の検討が求められます。
(4)“天井まで届く”間仕切りには特に注意
パーティションが天井まで達する場合、それは建築基準法上の「壁」として扱われる可能性があります。この場合、建物全体の防火区画の構成に影響を与えるため、下記のような点に特に留意する必要があります。
- ・スプリンクラーや照明・空調との干渉回避
- ・防火区画の遮煙性・遮炎性の確保
- ・天井裏の配線・配管との調整(消防設備含む)
可動式パーティションであっても、施工後に実質的に固定されていると判断されれば「固定壁」とみなされるため、素材や設置方法に工夫が必要です。
(5)避難動線・非常口を塞いでいないか?
パーティション工事の設計で最も重要なのが「避難動線の確保」です。万が一の火災時に従業員が安全に避難できる経路が遮断されるようなレイアウトは、明らかな法令違反です。
特に注意すべき箇所は以下の通り:
- ・避難通路幅が1.2m未満になっていないか
- ・非常口・避難口への視認性が保たれているか
- ・パーティション越しに消防設備(非常灯・誘導灯など)が隠れていないか
一見機能的なレイアウトでも、法的には問題となるケースがあるため、設計段階で消防設備士や建築士と連携することが求められます。
(6)施工後の「消防検査」に備えた図面管理
オフィス内装工事では、工事完了後に「消防署による立入検査(中間検査・完了検査)」が行われることがあります。特に、不燃材や避難動線に関する確認が重点的に行われるため、以下のような資料を整備しておくとスムーズです。
- ・材料リスト(不燃・準不燃材の認定番号付き)
- ・内装仕上げ表
- ・レイアウト図・避難経路図(消防設備との位置関係を明示)
- ・パーティション施工範囲の図面
消防検査で不備が指摘された場合、是正指示のうえ追加費用・工期延長が発生する可能性もあります。したがって、計画段階から資料整備を意識することが、全体工程の最適化にもつながります。
(7)「原状回復義務」との整合性にも注意
テナントビルに入居するオフィスの場合、「退去時の原状回復義務」が賃貸借契約に盛り込まれていることが一般的です。このとき注意すべきなのが、撤去時に初めて不燃材料や施工方法が問題視されるケースです。
例えば:
- 非公認の材料を使っていたため、撤去時に産廃処理費用が高騰
- 防火区画を変更していたため、原状復帰に追加工事が必要
こうした事態を避けるためにも、内装制限をクリアした仕様で設計・記録することが、長期的なコスト削減にも繋がります。
まとめ|パーティション工事は「内装制限」を正しく理解して安全な空間を設計しよう!
内装制限は、建物の安全性を守るために欠かせない規制です。特に、オフィスのレイアウト変更やパーティション設置工事では、防火性能や避難経路を考慮する必要があります。
間仕切.jpでは、消防法・建築基準法に準拠したパーティション工事を提案しています。オフィスや店舗の間仕切り工事でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
設計から施工まで、安全で快適な空間づくりをサポートいたします。

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