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 2020年の改正健康増進法の全面施行以降、飲食店における喫煙環境は大きく変化しました。

特に大規模な飲食店舗では、全面禁煙の方向性を取る一方で、喫煙を希望する顧客層への対応として、専用の喫煙室を設けることが重要な検討課題となっています。顧客の多様化するライフスタイルや価値観に応えるには、法的要件を満たしつつ、快適かつ機能的な喫煙空間を確保することが求められます。

本コラムでは、飲食店内に喫煙室を設置する際に押さえておきたい調査・設計のポイントと、施工型パーティションによる喫煙ブースの利点について解説します。

1. 飲食店における喫煙室設置の背景とリサーチポイント

 現在、多くの飲食店では、「喫煙」と「非喫煙」を明確に分けることが定着しています。

とくに大規模飲食店では、全席禁煙の方針を採りつつも、喫煙客への配慮として独立型の喫煙室を設けるケースが増加中です。喫煙室の設置にあたっては以下のリサーチが必要です。

  • 1.【法律面】喫煙室の設置条件(気密性・換気性能・掲示義務など)
  • 2.【設備面】天井高、ダクト位置、電源、火災報知設備との関係
  • 3.【運用面】利用人数、ピーク時間帯、回転率への影響
  • 4.【集客面】顧客層の喫煙率とニーズ分析

まず、喫煙室を設けるにあたっての前提として、法的な要件を明確に理解しておくことが欠かせません。改正健康増進法では、喫煙室の設置に関して細かな基準が設けられており、非喫煙者の受動喫煙を防ぐための換気性能や、気流の方向、扉の自動化などが求められています。また、喫煙可能な空間であることを明示するための標識掲示や、利用者に対する告知義務なども定められています。これらの要件を満たす設計でなければ、設置後に行政指導の対象となる可能性もあるため、導入前には必ず厚生労働省のガイドラインや自治体の条例を確認しておくことが重要です。

さらに、飲食店特有の運営事情を踏まえた設計が求められます。例えば、店舗のピーク時間帯には回転率を意識した動線計画が重要となるため、喫煙室をどの位置に設けるかは非常に戦略的な判断が必要です。入口付近に配置することで外部への煙流出を防ぎやすくする一方で、動線が交差してしまうと混雑や滞留の原因にもなりかねません。また、利用者の数に応じた室内の広さや換気設備の容量も適切に見積もる必要があります。さらに、清掃性や防火性能、タバコ臭への耐性など、内装材の選定にも注意を払い、長期的なメンテナンス性を考慮した設計とすることが重要です。

こうしたリサーチにより、過剰投資を防ぎながら最適な規模・仕様を選定できます。

2. 喫煙室の設計・施工で押さえるべき3つのポイント

喫煙室の設計では「法令遵守」と「快適性」の両立が鍵になります。設計・施工で重視すべきポイントは以下の3点です。

1.気流設計と換気能力
 厚労省が定める基準(0.2m/s以上の排気、2分以内の空気入替え)に適合する設計が必要です。

2.出入口のゾーニング
 非喫煙エリアとの空気の流出入を防ぐため、前室や自動ドアの導入も検討されます。

2.内装材の耐久性と清掃性
 タバコのヤニ・臭いに強い素材(メラミン化粧板やスチールパネルなど)を選定することで、清潔感を維持できます。

このように、飲食店舗ならではの高い衛生基準に応じた仕様選びが求められます。

3. パーティションで作る喫煙ブースの特徴とは?

 近年は、施工型パーティションを使った「ユニット式喫煙室」が急速に普及しています。これは、軽量で高性能な間仕切りを用いて、短工期・低コストで喫煙室を構築できる画期的な手法です。その特徴は次の通りです。

  • 1.短納期・最小限の工事:天井を既存利用できるため、設備工事が限定的。
  • 2.高い遮煙性能:密閉性の高い設計で、非喫煙エリアへの煙流出を防止。
  • 3.移設・改修も可能:将来的なレイアウト変更にも対応しやすい構造。
  • 4.デザイン性が高い:店舗のインテリアに合う多彩な仕上げ材が選べる。

パーティションによる喫煙ブースの利点のひとつは、施工期間の短さにあります。多くの施工型パーティションは工場でプレカット・プレ加工されたパーツを現場で短時間に組み立てる方式を採用しており、飲食店の営業に支障をきたすことなく、夜間や定休日の工事で完了することも可能です。これは店舗運営にとって大きなメリットとなり、売上への影響を最小限に抑えることができます。また、将来的に喫煙室を移設したり、拡張・縮小したいといった要望にも柔軟に対応できる点は、店舗の成長やレイアウト変更の際に非常に有効です。

さらに、施工型パーティションによる喫煙室は、設備との連携にも優れています。排気ダクトや空調設備と連動した設計が可能であり、換気性能を確保するうえで非常に合理的です。喫煙による煙や臭気を確実に排出することで、非喫煙エリアへの影響を防ぎ、店全体の快適性を維持することができます。とくに、厚生労働省のガイドラインで求められる0.2m/s以上の排気速度や、2分以内の空気入れ替えを実現するには、パーティション構造による高い密閉性と、適切な機械換気の併用が重要になります。

引用: 効果的な分煙対策を行うための留意事項

一方で、こうした喫煙ブースの導入に際しては、初期費用の妥当性や、ランニングコストへの影響についても検討が必要です。施工型パーティションは、躯体工事に比べると格段にコストを抑えられる反面、材料の選定や設備仕様によっては高額になるケースもあります。そのため、導入前には信頼できるメーカーや施工業者と連携し、明確な見積と設計プランをもとに進めることが重要です。また、自治体の補助金制度や助成金対象となる場合もあるため、そうした情報を事前に収集し、賢く予算化することが導入成功の鍵を握ります。

これらの利点により、大規模飲食店やフードコート、空港、商業施設などでの導入が進んでいます。

施工事例>喫煙ブース

4. パーティション製の喫煙ブースをおすすめする理由

パーティションによる喫煙室は、飲食店にとって“低リスクで高機能”な選択肢です。とくに、以下の点でおすすめです。

  • 1.法令対応の実績が豊富:専門メーカーによる設計で、法規制も安心。
  • 2.コストパフォーマンスが高い:従来の躯体工事に比べて費用対効果が良い。
  • 3.空間の印象を損なわない:パネルカラーや木目調、ガラス窓など、開放感や高級感を演出できる。
  • 4.短工期で営業に支障が出にくい:夜間・定休日工事にも対応可能。

飲食店における喫煙室の設置は、単なる設備投資ではなく、店舗のブランディングや顧客満足度向上、そして法律順守の観点からも極めて重要な施策です。

その中でも、施工型パーティションを活用した喫煙ブースは、設計・施工・運用の各フェーズにおいて高い柔軟性と実用性を備えており、レストランや居酒屋など飲食店以外のシーンでも、例えば、オフィスや工場、物流倉庫、ショッピングセンターなど商業施設、パチンコなど遊戯施設、結婚式場や葬儀場といった冠婚葬祭場でも多く導入されています。

とくに飲食店では「客席を削らずにニーズを満たす」ことが求められますが、パーティションを使った喫煙ブースは、その解決策となりうるソリューションです。限られたスペースでも快適・安全な喫煙環境を整え、幅広い顧客満足につなげることが可能です。

間仕切.jpでは豊富な喫煙ブース設置の実績を背景として、まずは現地調査を実施し、法的要件と店舗特性に合った最適なプランをご提案させていただきます。

パーティション専門メーカーならではの視点で、デザイン・機能・コストのバランスが取れた喫煙空間の設置をいたしますので、喫煙室の設置をご検討のかたはぜひ、間仕切.jpまでお気軽にご相談ください。

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