パーティションの設計は、新しい発見に満ちている

 パーティションは、規格に基づきユニット単位で構成されているので、ゼロからの設計というよりもパズルの組み合わせに近い感覚です。

基本的に「アルミパーティション」「スチールパーティション」「トイレブース」の3種類が中心で、それぞれ現場に合わせて設置します。一見すると、どれも同じような印象を受けるパーティションですが、レイアウトは現場ごとに異なりますから、どれひとつ取っても同じものは存在しません。

10年以上パーティションの設計に携わる今でも、日々新しい組み合わせ方を発見します。お客様の用途や好みに応じて、いくらでもバリエーションを増やすことが可能ですから、図面作成が楽しいですね。しかも、設計士として、試せることがまだまだ無限にある。それが、この仕事の面白さでもあり、やりがいなのだと思っています。

施工途中で震災が直撃。アイピック製品は無事だった

 2011年、約3,000㎡もの大規模なトランクルームの設計を担当しました。

設計段階で細かな仕様変更もあって対応に苦慮した、個人的にも思い入れ深い仕事です。現場は、神奈川県内の鉄道高架下。工場での部材生産、現場での施工作業も非常に大がかりなものでした。

ところが、4月1日のオープンをめざして工事が着々と進む中、東日本大震災が発生したのです。震災によって、工場内で搬入予定の部材が倒れてしまい、作り直すというアクシデントがあったものの、施工途中のトランクルームは倒壊することもなく、無傷のままでした。

以前から「アイピックの製品は地震に強い」と定評がありましたが、まさかそれが、震災によって証明されるとは思いもしませんでした。余談ですが、震災で他社製パーティションが壊れる被害が続出。「地震で壊れたので、アイピックの製品に換えたい」とのご要望が多数寄せられたんですよ。

エンドユーザーと同じ目線で設計していく

 当社は、受注から着工、完工までの期間が短いことで評価をいただいております。最短で、受注した週には工事が完了することもあります。したがって、設計サイクルも非常に速い。即日もしくは翌日までに図面を仕上げることが、日常的に行われています。

お客様にとって、このスピード感を伴うソリューションは、とても魅力的に映るのではないかと思います。こうしたスピード対応の中で、品質の高い設計を実現するためには、現場の収まりに関する確定情報を詳細かつ迅速に担当営業と共有することが欠かせません。

さらに、情報の共有化を確実に図ることで、実際にパーティションやトイレブースを使用するエンドユーザーと同じ目線を持った設計が可能になります。限られた時間の中で、限りなく安全で使いやすい製品を設計していく。設計のプロとして、これからも挑戦の日々が続きます。