目次

「女性経営者のオフィスだから、女性視点のデザイン重視だよね?」

「あの現場監督はベテランさんだから、施工方法も任せしておけば、お施主も安心ですよね!?」

「一度仕事が取れれば、次も同じ依頼が来るな!?」

・・・。そうなのかな??

元アパレル屋のマーケッターの私には、そう思えません。

施工完成後のお施主様へのインタビュー、または工事業者職人へのインタビューで、それは確信に変わりました。

様々な方面で、顧客分類に先に拘りすぎて、

「あなたや御社への期待の変化に気がつくの、遅すぎていやしませんか?」

1.年代/世代マーケティングは既に通用しなくなった理由

 マーケティング戦略を考える際、「40代のキャリア女性がターゲットです」「F2層を狙いたい」「団塊世代向けに発信する」といった表現を耳にすることがあります。

オフィスの内装デザインや内装工事に関しても、いまだによく、『女性向け』とか『若者経営者ベンチャー向けの』とか、耳にすることがあります。

確かに、すべての人を対象にした無差別な商品の企画・販売促進よりも、明確なターゲットを設定することは重要です。しかし、ライフスタイルやアイデンティティの多様化により、働く環境、オフィス空間も、性別や年齢を基準に顧客像をイメージすることはとうに難しくなっています。

「多様化」は、既存の括り方、セグメントでは説明がつきません。

では、その「答え」や「凡例」、ビジネスチャンスはどこに転がっているのでしょうか?

いつの時代でも「事件は現場で」起こっています。ただ、その源泉がなによるものなのかの「1次情報」を常にストックし続けている内装業者は、ITやAIのこの時代、実は多くないようなのです。

2.かつての分類区分は、時代にそぐわない

 「F1層、F2層」といった分類は、2005年頃から放送業界や広告業界で広く使われるようになった手法です。

  • C層 (4~12歳)
  • T層 (13~19歳)
  • M1層 (20~34歳の男性)
  • M2層 (35~49歳の男性)
  • M3層 (50歳以上の男性)
  • F1層 (20~34歳の女性)
  • F2層 (35~49歳の女性)
  • F3層 (50歳以上の女性)

当時は「50代からシニア層」と捉えることに違和感がありませんでしたが、現在では「70代から高齢者」と考えられるようになっています。50代は「まだまだこれから」の世代であり、再挑戦する人も多く、従来のF2層のイメージよりも30~40代に近い価値観を持っています。「人生120年時代」とも言われる今、50代以上をひとくくりにすることは現実にそぐわないのです。

さらに、「トレンドに敏感で消費意欲が強い」とされていたF1層も、年齢を重ねてもその意欲を維持しているため、「もう50歳だから」と価値観を変えることはありません。今や60代、70代でもファッションやライフスタイル、ワークスタイルの選択肢は広がっています。

弊社の60代のオーナーも、私の70代の両親もまだまだ元気。体力的な低下はあるとはいえ、意欲や欲求も決して衰えていません。新しいものへの興味も全くないわけでもありません。

要は、年齢や性別のステレオ的分析ではなく、「価値観の多様性は、環境の多様性にも繋がっている」ということに気づかされるのです。

しかし、空間内装業では、施主の価値観の変化や働く環境の変化によりそった、「半歩先」を敏感に感じて提案することで、ビジネスチャンスを広げるられることに気が付いていないメーカーや業者、営業マンが、以外と少ないことに気づきます。

そもそも、時代遅れの 「F1層、F2層」といった分類を、今更とりあげている業界人にも出会います。

3.世代マーケティングが抱える課題

 かつてF2層は「小学生~中学生の子どもを持つ主婦」というイメージが定着していました。

しかし、現在では結婚の有無や子どもの有無、出産のタイミング、働き方が多様化し、同じ年齢層でもライフステージが大きく異なります。

また、「更年期」などの年齢に依存する要素もありますが、影響の程度や対応方法は人それぞれであり、「見かけ年齢」や「健康年齢」も価値観や行動によって変わります。さらに、家族構成や住環境が似ていても、考え方や消費行動が一致するとは限らず、実年齢が異なっても「気持ちは30代」という層には同じ商品が響く可能性が高くなっています。

つまり、「35~49歳の女性」といった典型的な顧客像はもはや存在せず、たとえ類似の環境にある層を設定しても、その内部の考え方が多様化しているため、年代やライフステージを基準にしたマーケティングは困難になっています。

それは、例えば、主婦業をしながら決済権をもって働く女性が多く務めるオフィス、または、老若男女のフリーランスが多く集いプロジェックを実行するオフィスなど、新たなスタイルと価値観をもった人々による、新たな空間ステージ生まれる土壌になっています。

従来の分類に固執すると、ますます細分化せざるを得なくなり、例えば「既婚で小学生低学年の子を持ち、都内近郊住で週3出勤で、週2リモートの正社員が多くいるオフィスでとくに40代男性社長が好む内装デザイン!」、といった極端に狭いターゲット設定に陥ります。こうした過度なセグメントは、ターゲット設定の意味を失い、マーケティングの方向性を見失う原因となります。

また、年齢や世代による分類が難しくなった今、生まれ年を基準にした「世代マーケティング」も機能しにくくなっています。たとえば、「ゆとり世代」や「バブル世代」といったラベルは、社会政策の検討には有用ですが、経済格差が広がる現代において、同じ世代内でもライフスタイルや価値観は大きく異なっています。

4.価値観の多様化とマーケティングの変化は内装業にも求められる

 では、なぜ以前は年代によるセグメントが有効だったのでしょうか?

一般的には「情報社会の到来により、個人が多様な情報にアクセスできるようになった」「住む場所を自由に変えられるようになった」といった理由が挙げられます。しかし、より大きな要因は、核家族化の進行による「家族や地域共同体の影響力の低下」です。

かつては、世代ごとの「常識」に合わせて生きることが求められ、同世代の価値観が揃っていました。しかし現在は、生活環境の変化により「世間体」や「一般常識」の影響力が低下し、「自分は自分」として生きる自由が拡大しています。

例えば、「20代前半の女性はこういう価値観」「専業主婦はこう考える」といったステレオタイプが成立していたのは、かつては「20代前半で結婚・出産し、郊外にマイホームを持つ」といった人生モデルが一般的で、価値観が画一的だったからです。しかし、現代ではキャリア志向の女性、結婚しない選択をする女性、地方で起業する女性など、多様な生き方が存在し、同世代内でも消費行動が異なります。

お客様は、大なり小なりはあれど、自身の「センス(=嗜好性)を反映し、とコンプレックス(=劣等感)を隠しいたい」ことを求めていらっしゃいます。

ファッションと同様に、予算の枠の中で、自身にとって心地よく、シーンにも適切で機能的、できれば相対する人(=集う人)にも受け入れてもらえるような。

そして、お客様にとって大切なことは、その先のそれを纏った自身が、「何を感じ、得られ、一方で与えることができるか?」です。

エンドユーザーに向けても、流通商流の途中業者へ向けても、根底は同じと考えるか、否と考えるか?

どうやら、内装業者や建材業でのマーケティングにおいては、いまだに、STP分析(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)の欠如による、「どんな顧客に、どんな価値を提供するのか?」が、未解消なまま、場当たり的な営業活動をしてしまうケースが多いようです。

5.年齢や世代に頼らないマーケティングへ

 「20代前半の女性はこう考える」といった指標に頼るマーケティングは、顧客を深く理解する努力を省く「逃げ」に過ぎません。「世間の傾向」に頼った商品企画は、本質的な顧客ニーズを捉えにくく、成功確率も低くなります。

重要なのは、「自社の商品やサービスを必要とする特定の顧客層」の行動パターンを詳細に理解することです。表面的な世代分類に頼るのではなく、データ分析やユーザーインタビューを活用し、顧客が求める価値や体験を深掘りし、共感することがきっけで生まれる比較検討が求められます。

もはや、「世代マーケティング」の時代は終わりました。これからのマーケティングは、内装業も年齢や世代ではなく、価値観やライフスタイル、ワークスタイルにも焦点を当てるべきです。

6.その新しい空間で、あなたは何を叶えたいですか?

内装の間仕切り工事は、新たな空間を生み出します。

その空間は、本当にあなたの価値観やライフスタイル、ワークスタイルの変化と進化にアジャストしていますか?

間仕切り.jpでは、単なる見栄えが良い内装、コストだけに拘って安心や安全が保障されない内装工事ではなく、そこで何かを「実現するための最適な内装」をいっしょに考え、パーティションで実現いたします。

間仕切.jp

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