目次

1.施工型パーテーションによるファクトリーブースとは

 ファクトリーブースは、工場や倉庫内で特定の製造や作業エリアを分離した天井付きの個室です。

「ある程度の」清浄度や環境制御を提供することを目的としています。

施工型パーティションによるファクトリーブースは、その柔軟性とコスト効率の高さから、多くの製造業や研究開発分野での利用が広がっています。

2.施工型パーティションによるクリーンルームとは

 施工型パーティションによるクリーンルームは、より、高度な機能を備えた個室となります。

目に見えないようなほこりやゴミの混入を防ぐための部屋で、精密機器や食品、化粧品など、製造工程においてチリやホコリ、菌を付着させない目的で使われています。製造する物に応じて、クリーンルームのクラスはいくつかの種類に分けられています。

クリーンルームは、一般家庭に置いてあるような空気清浄機で取り除けない細菌やほこりをも取り除かなくてはなりません。外部からほこりが入り込んだり、作業員の汗が製品に付着したりしないよう、室内の気圧制御や温湿度管理も徹底しています。

3.ファクトリーブースとクリーンルームの違い

 クリーンルームとファクトリーブースは、いずれも特定の作業環境を向上するための個室ですが、その目的や設計、使用方法にはいくつかの違いがあります。

ファクトリーブース

目的: ファクトリーブース設置の主な目的は、工場や作業スペース内で特定の作業環境を最適化し、効率性や安全性を向上させることです。

特徴:

  1. 局所的な清浄度管理: クリーンルームほどの高い清浄度は求められませんが、特定のエリアのみを清浄に保ちます。
  2. 簡易な空調・フィルターシステム: HEPAフィルターやエアフィルターを使用し、空気の清浄度を確保しますが、クリーンルームほどの厳密な制御は行いません。
  3. 部分的な密閉: 部分的に密閉されることが多く、クリーンルームほど完全な密閉は求められません。
  4. 柔軟な設置: 必要に応じて設置・移動が容易で、工場内の特定エリアにのみ設置されることが多いです。
  5. 用途: 塗装ブース、溶接ブース、組立エリアなど、特定のプロセスにおいて環境制御が必要な場合に使用されます。

クリーンルーム

目的: クリーンルームは、微粒子、微生物、化学蒸気などの汚染物質を厳密に制御し、極めてクリーンな環境を提供することを目的としています。

特徴:

  1. 高い清浄度: ISO規格などに基づき、クリーンルームの清浄度は厳密に管理されます。これには、空気中の粒子数や微生物の制御が含まれます。
  2. 高度な空調・フィルターシステム: HEPAフィルターやULPAフィルターを使用して空気を浄化し、温度、湿度、圧力も制御します。
  3. 完全密閉: 部屋全体が密閉され、クリーンな空気の流れが維持されます。
  4. 厳しい入室規則: 作業者はクリーンウェアを着用し、エアシャワーを通過するなど、入室時の汚染を防ぐための厳しい規則があります。
  5. 用途: 半導体製造、医薬品製造、バイオテクノロジー、光学機器製造など、微細な汚染物質が製品の品質に重大な影響を与える分野で使用されます。

クリーンルームの具体的な利用シーン

  1. 半導体製造
  2. 医薬品製造
  3. バイオテクノロジー研究
  4. 食品加工
  5. 精密機械製造
  6. 光学機器製造

比較表

特徴クリーンルームファクトリーブース
目的高い清浄度を維持特定のプロセスの環境制御
清浄度管理非常に高い局所的、比較的低い
空調・フィルター高度なシステム簡易なシステム
密閉度完全密閉部分的密閉
入室規則非常に厳しい比較的緩やか
柔軟性制限あり高い柔軟性
主な用途半導体、医薬品、バイオテクノロジー塗装、溶接、組立、簡易クリーンエリア

クリーンルームとファクトリーブースの違いは、清浄度や環境制御の厳密さ、設置の柔軟性にあります。それぞれの用途に応じて、適切な選択が求められます。

施工型パーティションによるクリーンルームは、その柔軟性とコスト効率の高さから、多くの製造業や研究開発分野での利用が広がっています。用途に応じて適切な設計と運用を行うことで、高い清浄度と効率的な作業環境を実現できます。

施工型パーティションを使用したファクトリーブースとクリーンルームには、いくつかの重要な違いがあります。これらの違いは、主に目的、設計、清浄度の管理方法、および使用される技術に関係しています。

ファクトリーブースは、特定の作業環境を制御するための簡易な施設であり、柔軟性が高く、コスト効率も良いですが、清浄度管理は限定的です。

一方、クリーンルームは高い清浄度を維持するために設計されており、微粒子や汚染物質を厳密に管理する必要がある製造プロセスや研究に使用されます。

3.パーティションで個室を作るメリット、導入事例

 今回、精密機械の製造を行うお客様から、ファクトリーブースのパーティション施工をご依頼いただきました。

このお客様の製造工程には、微細なホコリ一つでも大きな影響を及ぼす非常に精密な作業が含まれています。それまでは同じ空間内での作業を行っていましたが、より精密な作業に適した個室の必要性を感じ、今回の施工を決められました。

ファクトリーブース内には、ホコリを風で吹き飛ばす装置が設置されています。このため、パーティションの最下部(床との設置面)に隙間を設け、ホコリが部屋の外へ排出されるように設計しました。

工場内労働環境の改善

近年の働き方改革の浸透に伴い、工場内の労働環境の見直しが進んでいます。さらに、異常気象が猛威を振るう中、対策を講じなければ社員の健康、最悪の場合には命に関わる状況が発生し得るため、工場や作業スペースの環境改善は急務となっています。

このような状況を背景に、空調マネージメントができるファクトリーブースへの関心と需要は年々高まり、間仕切.jpでもファクトリーブースのお問い合わせが増加しています。

主なファクトリーブースの用途

  • 従業員のデスクワークスペース
  • 工場・倉庫内の作業スペース
  • 従業員の休憩スペース
  • 打ち合わせスペース

主なファクトリーブースのメリット

ファクトリーブースを設けることで、広いスペースでは非効率な作業も効率的に行うことができます。

1. 作業環境の最適化

  • 精密作業の環境整備: 微細な作業や精密機械の組み立てを行うために、清浄度や温度、湿度を管理しやすい環境を提供します。
  • 特殊加工の分離: 溶接、研磨、塗装など、特定の加工や作業を行うための専用エリアを設け、他の作業との干渉を防ぎます。

2. 清浄度の管理

  • クリーンルームの設置: 高い清浄度が求められる作業(医薬品製造、半導体製造など)において、微細なホコリや微生物の侵入を防ぎます。
  • 粉塵対策: 粉塵や汚染物質が影響を与える作業エリアでの清浄度を維持します。

3. 騒音の軽減

  • 防音対策: 騒音が発生する機械作業や設備を分離し、作業者の集中力を高めるために騒音を軽減します。

4. 空調の効率化

  • 温度・湿度管理: 高温多湿な環境を適切に管理するための空調を効率的に利用し、快適な作業環境を提供します。
  • エネルギーコストの削減: 広い工場内の特定の作業エリアを個室化することで、空調の効率を高め、エネルギーコストを削減します。

5. 安全性の向上

  • 危険物管理: 危険物や有害物質を取り扱うエリアを他の作業エリアから分離し、安全性を確保します。
  • 緊急対応: 災害時の避難や緊急対応を容易にするための専用エリアを設けます。

6. 作業の効率化

  • 作業スペースの確保: 特定の作業を行うための専用スペースを提供し、効率的な作業を促進します。
  • 整理整頓: 作業に必要な道具や材料を整理し、作業効率を向上させます。

7. 休憩・リフレッシュ

  • 休憩スペースの提供: 従業員がリフレッシュするための快適な休憩スペースを設け、作業効率や満足度を向上させます。

8. 展示・見学

  • 工場見学: 外部の訪問者や顧客に対して製造プロセスを見学させるためのスペースを提供します。
  • 製品展示: 新しい製品や技術を展示するための専用エリアを設けます。

ファクトリーブースは、これらの目的を達成するために設計され、工場や作業スペース内での効率的かつ安全な作業環境を提供します。

4.パーティション専門メーカー、間仕切.jpのファクトリーブース

 間仕切.jpでは、オフィスや学校、病院など、さまざまな施設へパーティション製品を納めさせていただいており、工場や作業スペースへの施工のご依頼も数多くの実績がございます。

ファクトリーブースに関するご相談や詳細な情報は、ぜひ間仕切.jpまでお問い合わせください。弊社は、工場内の作業スペースや環境の改善に最適なソリューションを提供いたします。

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