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 オフィスの内装設計において、デザイン性や利便性以上に重要なのが「安全性」、とりわけ「防火性能」です。火災は万が一のリスクではありますが、いざという時の被害を最小限に抑えるためには、建材や内装材に対する十分な知識が不可欠です。

一定規模以上のオフィスや、排煙設備がない無窓居室を含むオフィス空間では、居室・廊下・階段などの内装仕上げ材に対して防火性能に関する法的基準が設けられています。これらの基準を総称して「内装制限」と呼びます。

オフィスビルの高層化などさまざまな理由によって、今ではパーティションにも高い耐火性・耐熱性が求められています。防火性能の種別は「不燃」・「準不燃「・「難燃」の3種類で、これらに該当する材料は法で定めたものとなります。材料そのものは高温になるものの、発火するまでに時間がかかり燃えにくいなどの特徴を持っています。これらの防火材料を認定するのは国土交通大臣です。

とくにパーティション(間仕切り)は、オフィス空間のゾーニングやレイアウト変更の柔軟性を高める建材として広く使われていますが、その素材によって防火性能が大きく異なります。

従来、不燃性能が高いパーティションといえばスチール製のものが一般的でした。ところが、今ではアルミパーティションのなかにも不燃認定を受けた燃えにくい製品も登場しています。

本記事では、パーティションによる内装間仕切りの防火性能について、「不燃材」「準不燃材」「難燃材」の違いを軸に、パーティションに用いられる防火区分の定義や違い、選び方のポイントを解説します。

また、不燃性能を持つアルミパーティションについても紹介し、オフィスにおける安全かつ柔軟な空間づくりを目指す皆様の参考になる情報をお届けします。

1.不燃材とは、火災に最も強い建材

  「不燃材」は、火災が発生してもほとんど燃えることがなく、煙や有毒ガスの発生も抑えられる非常に安全性の高い建材です。国土交通省の告示に基づき、不燃性能に関する厳しい試験をクリアしたものだけが「不燃材料」として認定されます。

具体的には、「加熱開始後20分間、燃焼しない」「穴があかない」「割れたり変形したりしない」といった条件を満たす必要があります。パーティションで使用される不燃材には、石膏ボードやセメント板、金属板(スチールなど)が代表的です。

とくに高層ビルや避難困難な施設、消防法や建築基準法で定められた「防火区画」が必要な場所などでは、不燃材の使用が必須です。万が一の火災時においても火の進行を最小限に抑え、避難時間を確保できる環境づくりが可能になります。

2.準不燃材とは、中程度の耐火性能と設計自由度のバランス

 「準不燃材」は、不燃材ほどではないものの、一定時間の加熱に耐え、燃え広がるまでに時間を要する材料です。国の基準では「加熱開始後10分間、燃焼せず、穴あきや変形がない」ことが求められています。

不燃材に比べてデザインや素材の選択肢が広く、比較的安価に導入できるため、間仕切りや壁面パネル、天井材など、内装の幅広い箇所で使われます。化粧石膏ボード、処理木材、特殊樹脂複合材などが該当します。

パーティションにおいても、準不燃材を採用することで防火性能を保ちながら、空間の演出やコストの最適化を図ることができます。用途や場所に応じたバランスの良い選択肢といえるでしょう。

3.難燃材とは、火災初期に対する一次防御

 「難燃材」とは、一定の時間は燃焼を遅らせる性能を持つものの、最終的には燃える可能性のある材料です。定義としては、「加熱開始後5分間、燃焼せず、形状の著しい変化がない」ことが条件とされています。

主にカーペットやカーテンなどの内装仕上げ材、天井裏の隠蔽部分に使用されますが、パーティションでも使用されることがあります。難燃処理を施した樹脂や合板が代表例です。

火災初期の避難時間を確保する目的や、軽度な防火対応が求められるエリアに最適です。ただし、用途によっては準不燃材や不燃材へのグレードアップも検討すべきです。

4.不燃アルミパーティションの選択肢──軽量×防火×低コストを実現

 従来、不燃パーティションといえばスチール製が定番でした。石膏ボードとスチールの組み合わせによる構造は、高い不燃性能と遮音性を兼ね備え、ビルの防火区画やオフィスの執務エリアに多く採用されてきました。

ただし、スチール製は重量があり、施工時の取り回しや運搬性、さらにコスト面でも負担が大きいというデメリットがありました。

一方、近年注目されているのが「不燃アルミパーティション」です。軽量なアルミを骨材に使用しつつ、内部に不燃認定を受けた芯材やボードを組み合わせることで、従来のスチールに匹敵する防火性能を発揮する製品が登場しています。これにより、内装制限があるエリアや高層ビルでも、コストを抑えながら防火基準に対応した設計が可能になりました。

間仕切.jpの不燃アルミパーティションTRUSTWALL AP-50SF/AP-50WF/AP-50BFは、国土交通省認定の安心の不燃性能を備えた製品です。安全面から様々な内装規制がある高層ビルでも、自由度の高いオフィスデザインが再現できます。

5. まとめ|防火性能から考える、安心・安全なオフィス設計

■ 防火材料の区分と特徴(比較表)

区分定義(加熱条件)特徴主な使用例
不燃材料20分間加熱しても燃焼せず、穴があかず、変形・損傷がほとんどない最も高い耐火性能。火災時にも燃えない・煙をほとんど出さない。高層ビルの防火区画、避難経路、天井・壁・パーティションなど
準不燃材料10分間加熱しても燃焼せず、穴があかず、変形・損傷がほとんどない中程度の耐火性能。デザインやコスト面での自由度あり。居室の天井・壁、OAフロア、パーティションなど
難燃材料5分間加熱しても燃焼せず、穴があかず、変形・損傷がほとんどない一定の防火性はあるが、最終的には燃える可能性がある。カーペット、カーテン、家具表面材、隠蔽部材など

引用:建築基準法施行令第108条の3、国土交通省告示 第1400号(平成12年)

 オフィス設計においては、見た目のデザイン性やレイアウト効率だけでなく、「防火」という観点からの素材選びが欠かせません。

パーティションを含む内装材は、その素材によって建物全体の火災リスクを左右する大きな要因になります。不燃材・準不燃材・難燃材、それぞれの特性と適材適所の使い方を理解したうえで、安全かつ機能的なオフィス空間を構築することが重要です。

とくに近年は、軽量・高機能な不燃アルミパーティションの登場により、従来のスチールパーティションに加えてより多様な選択肢が広がっています。防火性能とコストのバランスを考慮しながら、最適な素材を選びましょう。

間仕切.jpでは、国土交通大臣の不燃認定を取得した高性能なパーティションを中心に、設計から施工までワンストップサービスをご提供しています。

火災リスクに強く、柔軟で安心なオフィス設計をお考えのオフィス構築支援会社様は、ぜひ「間仕切.jp」にご相談ください。

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