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 「6月なのに真夏日!?」「もう梅雨は明けたの?」 そんな声が聞こえるほど、近年は季節の境目が曖昧になり、初夏でも猛暑を感じる日が続くようになりました。

もう梅雨は明けたの…? しばらく晴れ続き予想 気象庁の見解は

https://mainichi.jp/articles/20250617/k00/00m/040/106000c

職場の室温が暑い、または冬になれば寒いことが原因で「業務に集中できない」という経験をされた方は多いのではないでしょうか?

特に内装空間に身を置くオフィスや工場、店舗や医療施設など「働く空間」において、空調設計や温熱環境の管理は業務効率や従業員の健康、さらには企業の生産性にも大きく関わってきます。

今回は、パーティションメーカー直販サイト「間仕切.jp」より、業種や空間別に「人がやる気を発揮する温度環境」に焦点を当て、快適な空間づくりのための知見と内装設計のヒントを5つの視点でご紹介します。

1.人間がもっとも集中できる温度は?──基本の温熱環境知識

 人間が快適と感じる温度帯は一般的に17℃〜26℃とされており、この範囲であれば大多数の人がストレスを感じず作業に集中できると言われています。ただし、性別・年齢・体格・衣服・活動量によって感じ方には差があるため、絶対的な「正解温度」が存在するわけではありません。

ここでは、快適な空間づくりの基礎知識として、温度に影響する要因や、建築設計における温熱環境設計の基本原則を解説します。

  • ●快適温度の目安:夏季 24〜26℃/冬季 17〜22℃
  • ●湿度とのバランスも重要(夏場は40〜60%が理想)
  • ●エアコンだけでなく空気の流れ・遮熱設計も効果的

特に6月のように湿度が高く、気温も急激に上がりやすい時期は、空調機器と空間構成の両方からアプローチすることが重要です。

人間が快適と感じる温度帯は一般的に17℃〜26℃とされており、この範囲であれば大多数の人がストレスを感じず作業に集中できると言われています。

2.業務内容別・理想的な室内温度の目安とは?

 2005年に、ニューヨーク州イサカに本拠地を置く大学で、米国屈指の名門校アメリカ・コーネル大学で行われた研究によると、室温を20℃から25℃に上げた場合、パソコン作業におけるタイピングミスが約44%減少し、タイピングされた文字数が150%増加したというデータが発表されました。

引用:「コーネル大学公式ニュース」 https://news.cornell.edu/stories/2004/10/warm-offices-linked-fewer-typing-errors-higher-productivity

この結果からも明らかなように、作業環境の温度が人間の集中力や作業効率に与える影響は非常に大きいことがわかります。

特にオフィスワークでは、適正な温度管理を行うことで生産性が大きく向上する可能性があります。施工型パーテーションを導入することで、空間を細かくゾーニングし、温度の最適化を図ることが可能になります。部署や業務内容に合わせた空調調整ができる環境を整えることが、働く人のパフォーマンス向上につながります。

工場の温度は「労働安全衛生法(事務所衛生基準規則)」により、室温を18~28℃に保つことが推奨されています。これは厚生労働省が定めた基準であり、現場で働く作業員の健康を守るための最低条件とされています。作業によっては高温・低温環境にさらされることも多く、空調管理が困難な場合でも、作業ブースをパーティションで区切って局所的に冷房や暖房を効かせることで、法令基準を満たすことが可能です。また、空間をゾーニングして作業負荷の異なるエリアごとに温度調整を行うことも、快適かつ安全な労働環境の実現につながります。間仕切.jpが提供する施工型パーテーションは、工場のレイアウト変更にも柔軟に対応できるため、温熱環境の最適化にも大きく貢献します。

働くシーンや業務内容によって、最適な室温は異なります。以下に業種別の目安を示します。

業種・業務内容推奨室温解説
オフィス(事務職)24〜26℃長時間座る作業に適した温度帯。冷房が強すぎると逆に集中力低下。
コールセンター23〜25℃多人数が密集する空間。熱気がこもりやすいためやや低めが推奨。
工場(軽作業)18〜28℃「労働安全衛生法の規定(※18~28度)に合わせることが大切
理美容店23〜25℃来客・施術者双方が快適な温度に。ドライヤー使用による局所的発熱にも配慮。
クリニック・病院22〜24℃感染対策として換気が頻繁。冷房過多による患者の体調変化に注意。

このように、ワーカーの活動量や室内の設備・動線によって、快適温度は調整されるべきです。間仕切りによって「ゾーン分け」し、エリアごとに空調設定を変えることも有効と考えます。

3.クリエイティブな発想を支える“空間温度”とは?

 新しいアイデアが生まれる会議室や開発スペースでは、「やや暖かい環境(26℃前後)」が脳の創造性を高めるという研究報告があります。一方で論理的な作業を求められる空間では「やや涼しめ(23〜24℃)」が適しているという実験データも。

つまり、業務の性質に応じて空調と間仕切り設計を調整することが、職場のパフォーマンスを高める鍵となります。以下のような工夫が可能です。

・居心地の良さを演出する色調・素材も心理的な快適性に寄与

・間仕切りで会議スペースを独立させ、冷暖房効率を確保

・執務スペースと打ち合わせスペースで温度を分ける

4.働く人が知って得する「快適温度と健康」の5つの小ネタ

【冷房病対策】女性は特に25℃以下での長時間作業に注意。膝掛けやベストを活用。

冷房が効きすぎるオフィスで問題になるのが「冷房病」。特に女性は筋肉量が少なく体温調整が難しいため、25℃以下の環境で長時間作業を行うと、血流の低下や自律神経の乱れによる頭痛・倦怠感などの不調が起こりやすくなります。ブランケットや膝掛け、軽いベストの活用で冷えから身を守ることができ、快適性もアップ。間仕切りを活用して冷気が直接あたらない位置に席を配置するなどの工夫も有効です。

【脳温効果】頭部が冷えると集中力が低下。逆に手足が温かい方が発想力はUP!

人間の脳は体温と密接に関係しています。頭部が冷えると血流が悪化し、集中力や判断力が低下すると言われています。反対に、手足が適度に温かいと副交感神経が優位になり、リラックスした状態で創造的な思考が促される傾向があります。ワークスペースに暖色系の色を取り入れたり、寒色のゾーンと分けるためにパーテーションで空間を調整することで、体感温度の最適化を図ることができます。

【温度差ストレス】執務エリアと廊下・会議室の温度差は3℃以内が理想。

建物内の移動時、急激な温度差にさらされると自律神経が刺激され、疲労や体調不良を引き起こすリスクがあります。特に冷房の効いた会議室から、暖かい廊下へ出るときのギャップには注意が必要です。空調のゾーニング設計を意識し、間仕切りで温度環境を穏やかに変化させる設計にすることで、温度差ストレスを軽減できます。

【サーキュレーターの活用】空気の流れがあるだけで、体感温度は約−1〜2℃に感じられる。

同じ室温でも、空気が循環している環境では「涼しく」感じやすいという体感温度の効果があります。特に冷房機器が部屋の一部にしか届かない場合、サーキュレーターを活用することで空気を均等に巡らせ、体感温度を下げることができます。間仕切りで空間を区切る場合でも、上部を開放しておくことで風の流れを阻害せず、サーキュレーターの効果を最大限に引き出せます。

【空調コントロールの工夫】天井からの吹き出しより壁面吹き出しの方が温度ムラが出にくい。

天井からの吹き出しより壁面吹き出しの方が温度ムラが出にくい。 空調の吹き出し口の位置によっても快適性は変わります。天井吹き出しは冷気が落ちやすい一方で、室内に温度ムラが生じることもあります。壁面からの斜め吹き出しや床置き空調などの工夫により、均一な温度環境がつくれます。施工型パーティションを活用することで、風向きに応じた空間設計が可能となり、無駄なエネルギー消費を抑えながら快適性を高めることができます。

これらの工夫を知っておくだけで、日々の体調管理と作業効率が大きく改善されます。

5.内装と空調設計を連携させた「働く空間」づくりを

快適な職場環境をつくるには、空調機器の性能だけではなく、空間設計・間仕切り設計が密接に関係します。以下のようなポイントを押さえることで、最適な温熱環境が実現できます。

  • ●パーテーションらんま開放型で通気を考慮
  • ●ファクトリーブースなどの独立空間で空調の効率化
  • ●壁面カラーや素材による視覚的温度コントロール(例:ブルー系=涼感)
  • ●内装の色使いによる心理的快適性の演出(例:グリーンはリラックス、赤は活力)
  • ●湿度の調整も空調計画に必須(加湿・除湿機の活用、調湿建材など)

「間仕切.jp」が提供する施工型パーティションは、多くの施工実績と空調のゾーニング設計やレイアウト変更にも柔軟に対応できるため、様々な業種の“人が快適に働ける空間”の実現に貢献します。

まとめ|人間中心設計の観点で、快適性と生産性を両立する空間創り

 猛暑日が当たり前になるこれからの時代、職場の空調と間仕切りは「働き方改革」の基盤そのものです。

単なる涼しさ・暖かさではなく、「誰が、どこで、何をするか」に合わせた環境制御が求められています。

加えて、快適な湿度(40〜60%)と視覚的な心地よさをもたらす内装色、さらに音環境や照明設計までも含めたトータルな空間設計が、ワーカーの創造性とやる気を最大限に引き出します。

空間設計士やインテリアデザイナー、設計事務所の方々には、温湿度だけでなく色彩心理や視認性、用途別の空間ゾーニング設計など、五感に配慮した提案が求められます。

間仕切.jpでは、設計から施工、内装素材の選定までトータルでサポートが可能です。人間中心設計の観点で、快適性と生産性を両立する空間づくりを共に実現しましょう。

間仕切.jp

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