目次

 医療の現場で使用されるパーティションは、診察室、待合室、調剤薬局、介護施設などでのプライバシー保護や空間の効率的な利用に欠かせない要素です。

これらの施設で用いられるパーティションは、用途や目的、運用方法によって異なるため、内装設計はそれぞれの特性を理解し、適切な選択を行うことが重要です。

以下では、スクリーンタイプ、ローパーティションタイプ、ハイパーティションタイプの3つの主要なパーテーションの種類について、その用途や目的、運用方法を詳細に解説します。

1. スクリーンタイプ

用途

医療用に適したパーティションの中でも、利用者が最も目にする機会が多いのがスクリーンタイプのパーティション。

スクリーンタイプは、主に診察室や処置室、さらには患者の一時的なプライバシー保護が必要な場面で使用されます。

このタイプのパーティションは、軽量で移動が容易であり、空間を柔軟に仕切ることができるため、医療施設において非常に便利です。例えば、複数の患者が同じ空間で処置を受ける際に、それぞれのプライバシーを確保するためにスクリーンタイプが使用されることが多いです。

目的

スクリーンタイプのパーテーションの主な目的は、簡易的な視覚的な遮断です。

音の遮断や完全なプライバシーの確保は難しいものの、患者の不安を軽減し、必要な瞬間にプライバシーを保護することができます。また、スクリーンタイプのパーティションは、迅速に展開および撤去ができるため、緊急時や臨機応変な対応が求められる場面でも非常に有用です。

運用方法

スクリーンタイプのパーティションは、通常キャスターが付いているため、医療従事者が簡単に移動させることができます。

使用しない時にはコンパクトに畳んで収納できるため、スペース効率も良好です。また、スクリーンの素材は、清掃が容易で抗菌性の高いものが選ばれることが一般的です。これにより、感染対策としての役割も果たします。

2. ローパーティションタイプ

用途

ローパーティションとは、天井まで届いていない間仕切りの一種です。

さまざまな高さや素材のものがありますが、医療施設や介護施設のデスク周りで最も使いやすいのは、高さが1.1m前後で布張りタイプのローパーティションです。

このタイプのローパーティションは、重要書類をある程度隠しながらも、高すぎないためスタッフ間のコミュニケーションが取りやすいという大きな利点があります。また、布張りタイプはカラーバリエーションが豊富で、施設の演出したい雰囲気に合わせたカラーを選びやすいという点もメリットです。

目的

目線をしっかり隠せる高さのローパーティションを施設の居室内に設置することで、複数の入居者がいる部屋でも個々のプライバシーを守る配慮が可能です。

このタイプのパーティションは、個々の作業スペースを分ける役割を果たしつつ、コミュニケーションを阻害しない高さに設計されています。主に、受付エリア、カウンセリングスペース、事務室などで使用されることが多いです。

ローパーティションタイプのパーテーションの設置目的には、作業環境の整理と効率の向上もあります。

例えば、受付スタッフが複数人で作業している場合、それぞれの作業スペースを明確に分けることで、業務の混乱を防ぎつつも、必要なコミュニケーションは容易に行えるように設計されています。また、患者や家族とのやり取りが発生する場所では、適度なプライバシー保護とオープンな環境のバランスが求められます。

運用方法

ローパーティションは、固定式のものと移動式のものがあり、施設の設計方針や運用方法に応じて選択されます。

固定式の場合、デザインに合わせた色や素材を選ぶことで、施設全体の統一感を保つことができます。一方、移動式のローパーテーションは、業務の変化に応じてレイアウトを変更できる柔軟性があります。これにより、施設の利用効率が向上し、患者への対応もスムーズになります。

3. ハイパーティションタイプ

用途

床から天井までの高さで造作壁として設置するハイパーティションタイプは、完全個室のような空間を作れるため、しっかりとプライバシーを守れるのが最大の特徴です。

医療施設の診察室などに使うのに適しています。ハイパーティションタイプは、個室を設けたい場合や、しっかりとしたプライバシーを確保する必要がある場面で使用されます。診察室、カウンセリングルーム、または病室内のプライベートスペースの区切りなどで見られます。このタイプは、視覚的にも音響的にも高い遮断性を提供し、医療施設内での個人情報の保護が求められる場所に最適です。

目的

ハイパーティションタイプの主な目的は、完全なプライバシーの確保です。診察やカウンセリング、患者との個別対応が求められる場面では、他者の視線や音が遮断されることが重要です。また、このタイプのパーテーションは、医療従事者が集中して作業できる環境を提供し、ミスの防止にも寄与します。

運用方法

ハイパーティションは、通常固定式で、しっかりとした構造を持っていますが、モジュラー式のものもあり、設置後にレイアウトの変更が可能な場合もあります。素材やデザインは、施設全体のデザインコンセプトに合わせて選ばれることが多く、木材、ガラス、メタルなどの多様な素材が使用されます。また、音響性を高めるために吸音材が内蔵されているものもあり、患者やスタッフが安心して利用できる環境を作り出します。

4.まとめ

以上のように、医療施設や介護施設で用いられるパーティションは、その用途や目的に応じて選択することで、機能的なクリニック空間が出来上がります。

各パーティションの特性を理解し、施設全体の機能性と快適性を最大化するための適切選択、また、設置に際しては、清掃のしやすさ、衛生面での配慮、耐久性なども考慮する必要があります。こうした要素を総合的に評価し、最適なパーティションを選択することで、医療現場での運用が円滑かつ安全に行われるでしょう。

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