目次

1.厳しい市場環境と向き合う我々の使命

 2025年9月24日に産業新聞が報じた、「全国粗鋼 コロナ後最低 25年度上期 生産4000万トン見込み 建設分野落ち込み響く」というニュースは、私たち内装業界に関わるすべての人々にとって、軽視できない事実を突きつけています。

2025年度上半期の全国粗鋼生産量は約4000万トンと前年同期を下回り、上半期としては2021年度以降の最低となる見込みです。新型コロナ禍に直面した2020年度の同期を上回るものの、コロナ禍前の2019年度同期から1000万トンほど減少するというこの数字は、新設住宅着工戸数が前年を2割強下回るなど、資材高や人手不足の影響で建設分野の需要がとりわけ落ち込んでいる現状を如実に物語っています。海外市場の不振を受けて製造業分野の需要も弱く、粗鋼は減産傾向が続き、過去半世紀の最低となった2020年度(8279万トン)を下回る可能性すら指摘されています。

引用: WEB産業新聞 全国粗鋼 コロナ後最低 25年度上期 生産4000万トン見込み 建設分野落ち込み響

この難しい市場環境の中で、私たちもただ傍観しているわけにはいきません。粗鋼生産量の減少は、オフィスビルや商業施設の建設、そしてリノベーション案件の減少に直結し、結果として私たちの主要製品であるパーティションの需要にも影響を及ぼしていることも想像します。しかし、私たちはこの状況をただの厳しいと捉えるのではなく、「変化のとき」だと認識しています。パーティションも、既に「仕切る」ための機能を提供するだけでは、お客様の期待に応えることはできません。

私たちのビジョンのひとつは、「空間価値の創造を通じて、人と組織の可能性を広げる企業へ」進化し続けることです。私たちは、単なる内装施工業者ではなく、お客様が抱える課題を解決し、新しい働き方、新しいコミュニケーションを生み出すための「空間ソリューションパートナー」として、貢献して参りたいと考えております。

このコラムでは、このビジョンを共有し、内装業界の皆様と共にこの困難な時代を乗り越えるためのヒントを探っていきたいと思います。

2.「粗鋼(そこう)」とは

 「粗鋼(そこう)」とは、鉄鋼の生産過程における、まだ加工されていない状態の鋼のことを指します。

具体的には、鉄鉱石などを溶かし、精錬(不純物を取り除く作業)を行った後にできる鋼の塊(かたまり)のことで、これに圧延(ローラーで延ばす)や鍛造(ハンマーなどで叩く)といった加工を施す前の段階です。

簡単にまとめると、以下のようになります。

  • 「粗鋼」の定義:転炉や電気炉などで精錬され、まだ板や棒などの最終的な形になっていない鋼。
  • ・「粗鋼」の役割:自動車、建築材料、家電製品など、あらゆる鉄鋼製品の元となる素材です。

「全国粗鋼」とは、日本国内で製造された圧延や鍛造といった加工前の鉄鋼の生産量を指します。国全体の工業力を測る指標として使われ、粗鋼の生産量は景気の動向や需要の変動に大きく影響されるため、経済全体の動きを反映する統計の1つと言えます。粗鋼の生産量が増加していれば、景気が活発であると判断されることが多いです。

3.オフィスに求められる「機能」から「体験」への転換

 かつてのオフィスは、効率を追求し、従業員を収容する「箱」としての役割が主でした。

しかし、新型コロナウイルスのパンデミックを経て、リモートワークが普及した現代において、オフィスの役割は大きく変化しました。自宅でも仕事ができるようになった今、わざわざ出社するオフィスには、自宅では得られない「特別な価値」が求められています。

この「特別な価値」とは、まさに「体験」に他なりません。

  • 1.偶発的なコミュニケーション: 偶然の出会いから生まれるアイデアや、何気ない会話の中での情報共有。これらは、Zoomなどのオンラインツールでは代替できないオフィスの大きな強みです。私たちは、パーティションを用いて、この偶発的なコミュニケーションを促すための「オープンなスペース」と「クローズドな集中スペース」を両立させる空間を提案します。
  • 2.創造性を刺激する環境: 働き方や気分に合わせて場所を選べるABW(Activity-Based Working)の導入は、従業員のモチベーション向上と創造性の刺激につながります。集中したい時は個室ブース、チームで議論したい時は可動式パーティションで囲われたミーティングスペースなど、多様な働き方に対応するフレキシブルな空間づくりが求められます。
  • 3.ウェルネス(心身の健康)の配慮: 快適な室温、適切な照明、そして視覚的な安らぎを与えるデザインは、従業員のウェルネスに直接影響します。私たちは、吸音・遮音性能に優れたパーティションで静かな環境を提供し、木目調やガラスなど、素材の持つ温かみや開放感を活かしたデザインで、心身ともに快適なオフィス空間を創出します。

パーティションは、「屋内空間を仕切る」ための建材にとどまらず、従業員の働き方を変え、企業文化を育み、最終的に組織のパフォーマンスを最大化するための戦略的なソリューションであると私たちは考えております。

間仕切.jpは、内装業の皆様と共に、お客様の課題を深く理解し、単なる工事請負業者ではなく、この「体験」をデザインする「空間ソリューションパートナー」として、新たな価値を創造していきたいと考えています。

4.間仕切.jpとパートナーシップで切り拓く、未来への道

 間仕切.jpが提供するサービスは、単に内装の間仕切りに留まらないことを宣言させていただきました。

私たちは、内装空間を、そこに生きる人たちのワークスタイルに合わせて進化させるための協創の「プラットフォーム」でありたいと考えています。内装業の皆様が直面する課題を解決するために、以下の3つの柱で貢献して参ります。

  1. 1.専門知識とノウハウの共有: パーティションは、遮音性、防火性、耐震性など、様々な機能が求められる専門性の高い製品です。私たちは、これらの専門知識を体系化し、内装業の皆様に提供することで、お客様への提案力を向上させるお手伝いをします。ウェブサイトでの情報提供はもちろん、技術セミナーや製品勉強会などを通じて、最新のトレンドや施工ノウハウを共有し、皆様のスキルアップをサポートします。
  2. 2.提案力強化のためのツール提供: お客様に「この空間を使いたい」と思わせる魅力的な提案には、わかりやすいビジュアルが不可欠です。私たちは、3Dパースの作成支援や、多様なデザインバリエーションを提示できるツールを提供することで、皆様のプレゼンテーションを強力にバックアップします。これにより、お客様との具体的なイメージ共有がスムーズになり、成約率の向上に貢献します。
  3. 3.効率的なプロジェクト管理の支援: 資材高騰や人手不足の時代において、プロジェクトの効率化は企業の存続に直結します。私たちは、迅速な見積もり対応、安定した納期、そして現場での施工をスムーズにするための詳細なマニュアルやサポート体制を整えています。これにより、皆様は現場での作業に集中でき、コストと時間の無駄を最小限に抑えることができます。

私たちは、パーティションを通じて、「人と組織の可能性を広げる空間を創造する」というビジョンを掲げています。これは、私たち単独で達成できるものではありません。このコラムを読んでくださっている内装業の皆様との強固なパートナーシップがあって初めて実現できるものです。

決して簡単ではない時代だからこそ、私たちは「価格」だけで勝負するのではなく、「価値」で勝負する企業へと進化しなければなりません。皆様が本当に求めているのは、安価だけなパーティションではなく、皆様のビジネスを加速させ、クライアント様を豊かに、成長へと導くことに貢献できるような「空間」です。私たちは、その「空間」を共に創り上げるパートナーとして、皆様と手を取り合い、未来を切り拓いていきたいと考えております。


お客様のオフィス移転やレイアウト改善に、オンリーワンの提案や施工力を求めている内装業の皆様、ファシリティマネージメントに携わるの皆様からのご相談を、間仕切.jpはお待ちしております。

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