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 工場や倉庫の暑さ対策を検討する際、必ず耳にするのが「遮熱(しゃねつ)」と「断熱(だんねつ)」という言葉です。

どちらも熱を防ぐ技術ですが、その仕組みを誤解したまま導入すると、期待したほどの効果が得られないばかりか、余計なコストを支払うことになりかねません。

「遮熱(しゃねつ)」と「断熱(だんねつ)」。言葉は似ていますが、「熱の防ぎ方」が全然違います。どちらも「暑さを防ぐ」ための概念ですが、本記事では、どんな防ぎかたなのかを解説いたします。

また、熱が伝わる3つのメカニズムを整理し、なぜ今、工場の暑さ対策として「施工型パーティション」や「ファクトリーブース」が注目されているのかをご紹介いたします。

1.遮熱と断熱の根本的な違い

 遮熱(しゃねつ)と断熱(だんねつ)は、どちらも「暑さを防ぐ」という目的は同じですが、その仕組み(熱の防ぎ方)と対象とする熱の種類が根本的に異なります。

それぞれの違いと役割を整理すると以下の通りです。

「遮熱(しゃねつ)」とは?

遮熱は、「鏡のように熱をはね返す」技術です。

仕組み: 太陽から届く「光(輻射熱)」が建物の中に入る前に、反射して外へ追い返します。

主なターゲット: 輻射熱(ふくしゃねつ)です。これは電磁波として伝わる熱で、夏の工場の暑さの原因の約70%を占めるとされています。

役割: そもそも建物が熱くならないようにします。特に夏の厳しい日差しによる「屋根裏からのジリジリとした熱さ」を消すのに最適です。

代表的な素材: アルミ箔シート(遮熱シート)や遮熱塗料など、ミラーのように反射する素材が使われます

「断熱(だんねつ)」とは?

断熱は、「熱が伝わるのを、通せんぼして遅らせる」技術です。

仕組み: 分厚い壁(空気の層)を作ることで、外の熱が室内に伝わってくるスピードを遅くし、温度差をキープします。

主なターゲット: 伝導熱(物質を伝わる熱)と対流(空気で運ばれる熱)です。

役割: 室内外の温度差を維持します。夏は外の熱気を入れず、冬は中の暖気を逃がさないため、一年中エアコンの効率を維持するのに欠かせません。

代表的な素材: グラスウールやウレタンフォームなどの断熱材です。

根本的な違いのまとめ

項目遮熱 (しゃねつ)断熱 (だんねつ)
イメージ鏡(反射)厚手の防護服(ガード)
主な防ぎ方熱をはね返す熱の伝わりを遅らせる(通せんぼする)
対象となる熱輻射熱(太陽光などの電磁波)伝導・対流(空気や物質を伝わる熱)
主なメリット夏のジリジリ感をシャットアウトする通年で室内の温度を一定に保ちやすくする

効果的な活用方法

最高の暑さ対策は、「遮熱で熱を跳ね返し、断熱で快適さを保つ」という併用スタイルです。

例えば、屋根に遮熱材を施工して強力な輻射熱を遮り、壁や仕切り(パーティション)に断熱性能を持たせることで、効率よく涼しい空間を守ることができます。

2. 熱の正体を知る:「伝導」・「対流」・「放射」とは

ファクトリーブースのご紹介の前に、まず、工場内が暑くなる原因である「熱の移動」には3つのパターンがあることを理解しましょう。

  • 伝導(でんどう): 物質を通して熱が伝わること。建物の壁やフレームが直接熱くなる現象です。
  • 対流(たいりゅう): 空気や水の移動によって熱が運ばれること。屋根付近の熱気が下に降りてくるのがこれにあたります。
  • 放射(ほうしゃ/輻射): 赤外線によって熱が伝わること。夏の工場の暑さの約70%はこの「輻射熱」が原因です。太陽光で熱せられた屋根から、室内の人や機械へ直接熱が届きます。

遮熱と断熱は、この3つの課題をそれぞれ異なるアプローチでブロックすることになります。

熱の正体を知る:「伝導」・「対流」・「放射」とは。工場内が暑くなる原因である「熱の移動」には3つのパターンがある。

3.工場/倉庫の熱中症対策は「遮熱」と「断熱」を組み合わせる!

 「遮熱」と「断熱」この2つを組み合わせると、夏の工場や倉庫は「最強に涼しい場所」に変身できます。

工場の暑さの約70%を占める原因とされる「輻射熱(ふくしゃねつ)(=放射熱)」に対処するには、熱を反射して侵入を防ぐ「遮熱(しゃねつ)」というアプローチが最も有効です。

具体的な対処法として、以下の3つの観点から対策を検討することをお勧めします。

①遮熱材(シート・塗料)による反射

輻射熱は電磁波として伝わるため、鏡のように跳ね返す素材を使用するのが効果的です。

  • 遮熱シート: アルミ箔を加工したシートで、太陽からの輻射熱を94〜99%程度カットできます。屋根の上面だけでなく、裏面(室内側)への施工も可能です。
  • 遮熱塗料: 屋根や外壁に塗布することで赤外線を反射します。建材の寿命を延ばすメリットもありますが、定期的な塗り直しが必要になります。

②ピンポイントでの空間対策(ファクトリーブース)

工場全体を冷やすのではなく、作業スペースを区切って対策する効率的な方法です。 断熱性能のあるパネルで作業空間を囲い、さらにその天井部分に遮熱材を併用します。これにより、屋根からの強力な輻射熱をピンポイントでシャットアウトでき、低コストで高い冷房効率を実現できます。

③施工箇所の最適化

熱の発生源や侵入経路に合わせて対策を使い分けます。

  • 屋根・壁: 最も輻射熱の影響を受ける場所です。特に屋根は面積が広いため、最優先で遮熱工事を行うべき箇所です。
  • 機械設備: 工場内の機械自体が電気ストーブのように輻射熱を発している場合があります。この場合、機械の周りを遮熱シートで包み込むことで、熱の放出を抑えることができます。
  • カバー工法: 既存の屋根の上に新しい屋根を重ねる際、その間に遮熱シートを敷き込むことで、建物の老朽化対策と同時に強力な遮熱対策が行えます。

このように、「遮熱材で輻射熱を跳ね返し、断熱(ブース化)で冷気を閉じ込める」という併用スタイルが、工場の暑さ対策において最も効果的です。

「遮熱」と「断熱」この2つを組み合わせると、夏の工場や倉庫は「最強に涼しい場所」に変身できます。

4. ファクトリーブースは、「遮熱」と「断熱」を最も効率よく、低コストで両立できるソリューション

「建物全体の断熱改修はコストがかかりすぎる」と悩む経営者様への最適解が、施工型パーティションによる「ファクトリーブース」の設置です。これは「遮熱」と「断熱」を最も効率よく、かつ低コストで両立できる内装間仕切りのソリューションです。

  • 無駄な空間を冷やさない(断熱・対流抑制):天井の高い工場全体を冷やす必要はありません。断熱性能の高いパーティションで作業空間を区切ることで、冷気(対流)を閉じ込め、外部の熱(伝導)を遮断します。
  • ●輻射熱を遮る(遮熱):ブースの天井部分に遮熱材を併用することで、屋根からの強力な輻射熱をピンポイントでシャットアウトできます。
  • スピード施工・低コスト:建築工事ではなく「什器・設備」としての導入が可能なため、工期が短く、減価償却の面でも経営上のメリットがあります。

ファクトリーブースで部分的に断熱するメリット

ファクトリーブース(施工型パーティション)を用いて、工場内を部分的に断熱することには、コスト・効率・施工性の面で以下のような大きなメリットがあります。

1)冷房効率の劇的な向上(無駄な空間を冷やさない)

天井が高い工場全体を冷やすには膨大なエネルギーが必要ですが、断熱性能の高いパーティションで必要な作業空間だけを区切ることで、冷気(対流)を狭い範囲に閉じ込めることができます。これにより、外部からの熱(伝導)を遮断し、効率的に涼しい環境を維持することが可能です。

2)コストの大幅な削減

建物全体の断熱改修を行うには多額の費用がかかりますが、ファクトリーブースによる部分的な対策は、「建物全体の改修はコストがかかりすぎる」という悩みに対する最適解となります。また、建築工事ではなく「什器・設備」として導入できるため、減価償却などの経営面でのメリットもあります。

3)「遮熱」との併用による相乗効果

ファクトリーブースのメリットは断熱だけではありません。ブースの天井部分に遮熱材を併用することで、工場の暑さの約70%の原因とされる「屋根からの強力な輻射熱」をピンポイントでシャットアウトできます。

遮熱: 屋根からのジリジリした熱(輻射熱)を跳ね返す。

断熱: ブース内の冷気を逃がさず、外の熱風(対流・伝導)を入れない。 この2つを組み合わせることで、低コストで「最強に涼しい場所」を作ることができます。

4)スピード施工と柔軟性

建築工事に比べて工期が短く、スピーディーに設置できる点もメリットです。また、現場の環境(西日の強さや機械の排熱など)に合わせて、遮熱性能を強化したパネルや、精密機械のための高断熱ブースなど、最適なレイアウトを選択できます。

5)生産性と福利厚生の向上

スタッフを熱中症から守ることは、企業の社会的責任(CSR)を果たすだけでなく、作業効率の低下を防ぎ、生産性を維持するための投資としても非常に有効です。

このように、工場全体ではなく「必要な場所だけを部分的に守る」ファクトリーブースは、非常に合理的で効果の高い暑さ対策と言えます。

5.建物全体の「遮熱」を最大化する:屋内天井と屋上へのアプローチ

 これまではファクトリーブース内での効率的な対策を中心に解説してきましたが、遮熱の効果をより高めるためには、エアコンで空調が効いているブース内の天井だけでなく、工場そのものの屋内天井や屋上面に対処を施すのが、遮熱材(シート・塗料)です。

①屋内天井への施工:アルミ箔遮熱シート「はるクール」

「はるクール」は、鏡のように熱を反射するアルミ箔の特性を活かした遮熱シートです。

驚異の放射熱カット: 放射熱(遠赤外線)を97%カットし、室温の上昇を強力に抑えます。

多角的なメリット: 熱中症の予防はもちろん、室温が安定することで荷物へのダメージ軽減や、エアコンの負荷を減らすことによる電気代の削減に直結します。

導入のしやすさ: 施工が簡単で短納期での対応が可能なほか、既設の建物への後付けも可能です。高い耐久性により、長期的なランニングコストの低減にも大きく貢献します。

②屋上からの対策:金属折板屋根用システム「冷えルーフ」

建物の外側、つまり屋上から熱を遮断する、全く新しい発想の遮熱・断熱システムが「冷えルーフ」です。

自然の力を応用: 金属折板屋根用に開発されたこのシステムは、自然のメカニズムを応用して熱の侵入を防ぎます。

夏冬兼用のハイブリッド性能: 夏は強力な遮熱効果で室温上昇を防ぎ、冬は建物の保温効果を発揮。さらに、工場で悩みとなりやすい結露対策としても有効です。

5. 遮熱と断熱を併用し、生産性の高い「次世代工場」へ

 結論として、最高の熱中症対策は「遮熱で熱を跳ね返し、断熱で快適さを保つ」という併用スタイルです。

「はるクール」や「冷えルーフ」によって工場全体の温度上昇を抑制(遮熱)し、その上で作業スペースを「ファクトリーブース」で仕切って冷気を閉じ込める(断熱)という組み合わせです。

このように、建物全体の熱対策と、局所的な熱対策を併用することで、次世代の低コストかつ効率的な空調環境を工場環境を実現できます。

熱中症からスタッフを守ることは、今や企業の社会的責任(CSR)であり、生産性を守るための投資でもあります。現場の状況に合わせた最適なプランを、プロの視点からご提案いたします。

「うちの現場に最適なのは遮熱?断熱?」とお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。現場調査から最適なブース設計まで、専門スタッフがサポートいたします。

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