目次

1.建築工事と内装工事

 建築工事と内装工事の違いは、主に建物を建てる段階か、建物が完成した後の段階かにあります。

建築工事は、何もない場所から建物を建てる工事であり、新築工事や増築工事、改築工事などが含まれます。建築工事では、土地の調査や地盤改良、基礎工事、構造物の建設、屋根や外壁の施工などが行われます。建物の骨組みを作り上げる段階であり、建物の外観や基本的な構造を形成します。

一方、内装工事は、完成した建物の内部を整える工事です。具体的には、間仕切り壁の設置、建具の取り付け、床・壁・天井の仕上げ工事、内装材料の取り付けなどが該当します。内装工事は、建物の外観や基本的な構造が完成した後に行われるため、建物の外観や構造には影響を与えませんが、建物の内部のデザインや機能性を決定します。

つまり、建築工事は建物の骨組みを作る工程であり、内装工事は建物の内部を仕上げる工程であると言えます。

2.内装工事の基礎知識

 建築工事と内装工事はそれぞれ異なる役割と専門知識を持っています。

建築工事は主に建物の骨組みや外部構造を構築する工程であり、建築技術や構造、基礎に関する専門知識が求められます。建築工事には、建設業者や建築家との協業が主に関わり、土地の特性や法規制に関する理解が不可欠です。

一方、内装工事は建物の内部を仕上げ、快適で機能的な空間を作り出す作業です。内装工事にはデザインや仕上げ材料の知識、室内照明などの細部にわたる工事ノウハウが必要です。関連する業者としては、空間デザイナーやユーザーとの関わりが重要であり、用途や嗜好性に合わせた仕上げを提供する立場にあります。

工事工程も異なり、建築工事は建設プロジェクトの初期段階から進行し、建物の基本構造を設計します。一方、内装工事は建物の完成後に行われ、内観デザインや機能、床や壁の仕上げ、照明、家具配置など、建物の内部を仕上げる工程となります。

3.内装工事は、「内装仕上工事」と「設備工事」に分けられる

内装工事は一般的に、「内装仕上げ工事」と「設備工事」の2つに分類されます。

内装仕上げ工事は、設計された内装デザインに基づいて、空間内の壁、床、天井などを仕上げる工事です。具体的には、壁の塗装やクロス張り、床のフローリングやタイル貼り、天井のクロス張りや吊り天井の設置などが含まれます。この工程では、建物内部の美観や機能性を高めるために、デザインに沿った仕上げが施されます。

一方、設備工事は、建物内で利用する設備を機能させるための工事です。これには、電気、ガス、水道、空調、換気などの設備に関連する配管や機器の設置が含まれます。具体的には、配線や配管の設置、照明器具やエアコンの取り付け、給排水設備の設置などが行われます。設備工事は、建物の快適性や機能性を確保するために欠かせない作業です。

4.内装仕上工事とは、「建築物の内装を仕上げる工事」

内装仕上げ工事は、建築物の内装仕上げを行う工事で、木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、畳、ビニール床タイル、力一ペット、ふすまなどを使用して建築物の内装仕上げを行います。この工事には、様々な例があります。

  • インテリア工事: 家具工事(大工工事)は、室内デザインや配置に基づいて家具や装飾品を取り入れ、空間全体の雰囲気を演出します。
  • 床仕上げ工事は、フローリング、クッションフロア、フロアカーペット、塩ビタイル、長尺シート素材などを使用して床面を仕上げます。OAフロア工事も含まれます。
  • 天井仕上げ工事では、無垢材、合板、ボード、パネルなどの化粧板を天井に張ります。
  • 壁張り工事: クロス工事や左官工事では、壁にクロス、壁紙、石膏ボードなどを施し、美観と保温・断熱性を向上させます。
  • 内装間仕切り工事(造作工事)では、室内の仕切り壁や施工型パーテーションを設け、異なる空間を創り出します。
  • 防音工事では、吸音材や遮音材を使用して、建物内の音響環境を改善します。
  • リフォーム工事では、塗装工事や畳工事などを行い、既存の建物や部分的な空間を改修し、新しいデザインや機能を導入します。

これらの工事は、建物内部の印象や雰囲気を決定づけ、利用者に快適で魅力的な空間を提供することが求められます。

5.設備工事とは、「建物内で利用される設備を導入設置する工事」

設備工事は、建物で利用される設備を導入するための工事で、主に建物の電気、ガス、通信、防災・消火などの設備を構築する作業を指します。この工事には、様々な種類があります。

  • 電気工事は、電灯やコンセントの設置、配線の施工などを行い、建物内に電気配線を引き込んで照明、コンセント、スイッチ類などを取り付けます。
  • ガス工事は、キッチンや暖房、給湯などに使用されるガス設備を取り付けます。具体的には、ガスコンロや給湯器などが含まれます。
  • 通信工事は、インターネット、電話回線、TVなどの通信設備の取り付けや配線工事を担当し、LANケーブルや光ファイバーの開通、社内ネットワークなどを構築します。
  • 防災・消火工事では、火災警報機や消火器、煙感知器、スプリンクラーシステムなどの防災・消火設備を設置して消防法に適合させます。
  • 給排水設備工事は、浴室やトイレなどの給水・排水設備を取り付けし、パイプの敷設や各種水栓の設置を行います。
  • 空調設備工事は、エアコンを設置して利用可能にし、メンテナンスを行います。セントラル空調ではない場合、区画内の空調設備を取り付けます。

これらの工事は、建物の外観や構造が完成した後に行われ、利用者が快適かつ安全に建物を利用できるようにします。建物の機能性や利便性に直結し、建物の持続可能性や省エネルギー化にも関わる重要な作業です。

6.よくあるオフィス内装工事の制限

 共用部と専有部の工事担当は、建物内の共用部分と個々の専有部分に分かれています。例えば、オフィスや店舗などが入居する建物では、エントランス、廊下、階段、エレベーター、トイレなどの共用部は建物オーナーが管理会社を通じて、専有部は借主がそれぞれの内装工事を発注します。

工事内容には制限やルールがあります。空状態のスケルトン物件では、建物の構造や耐荷重性、建築基準法に基づく規制などに準拠する必要があります。例えば、壁や天井に用いる材料は耐火性や不燃性が求められ、火災の拡大を防ぐための配慮が必要です。また、入居時と退去時の状態の整合性も考慮する必要があります。借主は、入居時に行った工事内容を退去時に元の状態に戻すことが求められます。

このようなルールや制限を踏まえながら、借主はオーナー(管理会社)との契約や規約に従って工事を進める必要があります。建物の内装工事は、安全性や法規制への適合性を確保しつつ、借主のデザインやニーズに沿ったものを実現するための調整が必要です。

7.設計と施工を一括で行う場合の内装工事フロー

 内装工事会社が設計と施工を一括して行うことで、シンプルでスピーディーな対応が期待できます。このようなワンストップのアプローチは、顧客にとって多くのメリットをもたらします。

まず、専門のスタッフ体制が常に提供されるため、高品質な内装設計と施工が保証されます。内装工事会社が内装設計から施工までを担当することで、設計と施工の間で情報の漏れやミスが少なくなり、プロジェクトの効率性が向上します。

また、ワンストップでの請負いにより、顧客は複数の業者との契約や調整の手間を省くことができます。設計と施工を別々の業者に委託する場合、コミュニケーションのコストや時間がかかる可能性がありますが、内装工事会社が一貫して担当することで、円滑なプロジェクト進行が期待できます。

さらに、内装工事会社が専門の職人やスタッフを保有している場合、作業効率が向上し、工期の短縮が可能です。専門のスタッフが豊富な経験と知識を持ち、迅速かつ質の高いサービスを提供することができます。

最後に、内装工事会社が予算に応じた提案や仕様変更に柔軟に対応することも重要です。顧客のニーズや要望に合わせたプランニングや調整が行われるため、満足度の高い内装工事が実現します。

8.オフィスや工場/倉庫、店舗の内装工事のご相談は、間仕切.jpへご相談ください。

間仕切.jpでは、内装デザインから施工、アフターサポートまでをワンストップで提供することで、お客様が手間をかけずに、効率的にオフィスなどの改装や新設を行うことができます。

これにより、オフィスの新設工事や移転工事全体の管理が容易になり、スムーズな作業進行を支援させていただきます。また、パーテーションをはじめとした内装品質管理に関する一貫性も担保し、お客様に安心感をお届けさせていただきます。

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