目次

オフィス移転や増床、内装の大規模な改修という一大イベントを検討されている経営者・決裁者の皆様へ。

組織の生産性を高め、社員のモチベーションを向上させるためには、どのようなオフィス空間が求められるのでしょうか。現代のビジネス環境には様々なデジタルツールやマネジメント手法が溢れていますが、最終的に組織を動かすのは「人」であり、人が最大限のパフォーマンスを発揮するための「環境」です。

本コラムでは、Jリーグ黎明期から活躍し、日本サッカーの発展を最前線で体感してきた元日本代表・福田正博氏の「優れた監督と組織づくり」に関する深い洞察のセッション動画から想起された、強いビジネスチームを作るためのマネジメント論と、それを実現するための「空間づくり(オフィスレイアウト)」のヒントを紐解きます。

引用: YouTubeスポルティーバ「福田正博が考える「良い監督」の条件 水平感覚vol.13④」

1.組織のパフォーマンスを最大化する「役割の明確化」とは?

「役割」の明確化が「評価」と「目標」を生み出す

組織において最も重要なこと、それは各社員の「役割」を明確にすることです。

プロサッカーの世界でも、低迷していたチームが、監督が変わり一人一人の選手の役割を明確にした途端に急成長を遂げた事例があります。なぜ役割を明確にするとチームは強くなるのでしょうか?

それは、ビジネスの現場において「役割を明確にするということは、しっかりと評価ができるということ」だからです。

同じメンバー構成にもかかわらず

1993年のJリーグ開幕当初、福田氏が所属していた浦和レッズは、現在からは想像もつかないほど勝てない時期を経験していました。1993年、1994年のシーズンは、選手たちも自信を失った状態でプレーを続けていたといいます。しかし、1995年にホルガー・オジェック氏が監督に就任すると、急激に強さを増し優勝争いをするまでに成長しました。しかも、チームは同じメンバー構成にもかかわらず!だったのにです。

この劇的な変化の裏にあった最大の要因は「役割の明確化」です。オジェック氏、他にも、日本代表を率いたハンス・オフト氏らの名将は、ピッチに立つ11人一人ひとりの役割をシンプルかつ明確にしました。役割が明確になれば、できたこと・できなかったことが正しく「評価」できるようになります。評価ができるからこそ、1週間ごとに具体的な目標を提示し合い、試合の勝敗にかかわらずリーグ戦を通じて選手と組織が成長し続けることができたというのです。

福田氏は、役割が不明確なまま「ただ単に汗をかいて一生懸命トレーニングして、俺はフォワードだからシュート練習たくさんして」という状態は、闇雲にやって怪我をするようなものだと指摘します。

「どのような役割を担い、何を目指すのか」

これは、ビジネスシーンに例えるなら、「会社や上司から具体的な役割や評価基準を与えられないまま、社員が『とりあえず営業だから』と闇雲に手当たり次第のテレアポや飛び込み営業を繰り返し、ただ長時間労働をして疲弊し、最悪の場合は心身を病んで休職してしまう(=怪我をする)」ような状態と言えるかもしれません。(※具体的な営業手法や休職といったビジネスの例えは、ソースの意図を汲み取った独自の解釈です。実際、当時の福田氏は”1人で勝手に悩んでいた”と回顧しています。)

福田氏は、このメカニズムは「ビジネスで当たり前の話」であると前置きし、組織における役割と成長について以下のように語っています。

役割を明確にすることで、初めて「できたこと・できなかったこと」のしっかりとした「評価」ができるようになる

②正しく評価されるからこそ、「できたことは続ける」「できなかったことは次の1週間のテーマにする」というように、具体的な「目標」を毎週持つことができる

つまり、上司が役割を明確にせず評価もできない環境下では、社員は1年間を通して「何が良くて何が悪いのか」がわからないまま、ただ汗をかいて一生懸命働くことしかできなくなります。福田氏はこの状態を「闇雲にやっているだけであり、怪我しろと言っているようなもの」と厳しく指摘しています。

ビジネスの現場においても、「あなたは営業部だから」「あなたは事務職だから」という大雑把な肩書きだけで放置するのではなく、「今週はどのような役割を担い、何を目指すのか」を明確に提示し、それを適切に評価してあげることが、社員を無駄な疲弊(怪我)から守り、着実に成長させるための絶対条件になります

日本の企業では、社員の役割が曖昧なまま、なんとなく日々の業務をこなしているケースが少なくありません。しかし、各個人の仕事(役割)を明確に定義しなければ、上司は「できたこと・できなかったこと」を正しく評価することができません。

適切な「評価」軸があって初めて、社員は次の「目標」を持つことができます。今週は何をすべきか、達成できたことは継続し、できなかったことは次週の課題として取り組む。この目標のサイクルが回ることで、社員はモチベーションを維持し、確実に成長していくのです。逆に言えば、役割が不明確で評価も曖昧な状況では、社員は自分が何をすれば正解なのかわからず、ただ闇雲に努力するしかなくなり、結果的に成長は望めません。

【オフィス空間への応用】

これは、そのままビジネス空間の設計にも当てはまります。現在のオフィスは、各スペースの「役割」が明確になっているでしょうか。集中して作業する場所、活発に議論を交わす場所、リラックスしてアイデアを練る場所。これらの境界が曖昧なままでは、社員はどこで何に集中すべきか迷い、闇雲にエネルギーを消耗してしまいます。

パーテーション(間仕切り)を活用し、空間ごとの役割を明確に定義(ゾーニング)することは、経営陣が社員に対して「ここではこの業務に専念してほしい」という明確な役割を与えることと同義です。目的が明確な空間は、社員のパフォーマンスに対する自己評価を容易にし、日々の業務における継続的な成長を促します。

2.「ないものを探す」から「あるものを生かす」マネジメントへ

 日本人は勤勉であるがゆえに、プロになっても「できないこと(弱点)」を一生懸命に克服しようとする傾向があります。しかし福田氏は、自信を失っている組織に対して最も重要なのは、小さな成功体験を積ませることであり、そのためには「得意なことをやらせる」のが鉄則だと語ります。

例えば、所謂「ドーハの悲劇」のときのサッカー日本代表のオフト監督は、無名だった一選手から抜擢したボランチのポジションの森保(もりやす)一選手(現日本代表監督)に対し、彼ができることだけを要求し、それ以外の攻撃面などは、チームの攻撃面のキープレイヤーでありスタープレイヤーであったラモス瑠偉選手に任せるという役割分担を徹底しました。11人全員が万能である必要はなく、それぞれの良さを最大限に生かし、組み合わせることでチーム全体のバランスを取ったのです。結果として、左サイドにラモス選手、三浦知良選手、都並敏史選手という攻撃的な選手が偏る一方で、右サイドの攻撃は福田氏が単独で担うという、一見アンバランスな陣形が、チーム全体としては最高のバランスを生み出していました。

「得意」に特化させ、成功体験と自信を積ませる

プロフェッショナルなチームにおいて、プレイヤー(社員)の役割は、個々の「得意=専門領域」に特化されているべきです。

とくに中小企業において、「中小だからこそ何でもこなさないといけない。」と混同されがちで、人的リソースが限られている中小企業ほど、成果に密接になりやすくなると考えるべきです。

だからこそ自信を失っている社員や、伸び悩んでいるチームに自信を与え、機能させるための最もシンプルな方法は、「得意なことをやらせる」ことです。得意なことであれば当然成果が出やすく、小さな成功体験を積み重ねることができます。その成功体験が大きな自信へと繋がり、更なるパフォーマンスの向上をもたらします。

しかし、多くの日本企業が「苦手」なことを不必要に訓練させ、従業員のモチベーションを下げているという現実はないでしょうか?

日本人は真面目な国民性ゆえか、しばしば「ないものを探す」傾向にあります。つまり、社員の弱点を見つけると、それをどうにか克服させようと、苦手なことを一生懸命やらせてしまうのです。しかし、プロフェッショナルな現場において、苦手なことを無理にやらせても失敗が続き、結果的に自信を失っていくだけです。とくに成長途上の若手はいざしらず、中堅からベテラン社員にあてはまることと考えます。

ビジネスパーソンに必要なのは、何歳になっても平均的な技量を身につけるための「成長」を強いられることではありません。自分の持っている長所や得意なことを最大限に活かし、それを磨き上げることです。長所を伸ばすことで、結果的に弱点も気にならなくなっていくものなのです。

弱点はチームでカバーする。それが本当の「連携」

では、個々人が得意なことに専念した場合、その人の「苦手な業務」はどうすればよいのでしょうか?

ここで重要になるのが「チームとしてのカバーリングと連携」です。

従業員一人一人が、すべての業務をそつなくこなす「平均的なジェネラリスト」である必要は全くありません。

ある社員の苦手な領域は、それが「得意」な他のスタッフや部署がカバーすればよいのです。サッカーの例で言えば、攻撃がずば抜けて得意な選手がいるなら、その選手の守備の負担を減らすために、守備が得意な別の選手を配置してバランスを取ります。

右からも左からも完璧に攻められるチームが理想かもしれませんが、それはあくまで理想論です。一見すると一部に偏ったアンバランスな陣容に見えても、それぞれの得意分野を噛み合わせることで、チーム全体としては強力な「バランス」が保たれます。

得意なことに専念させ、苦手なことはチームで補い合う。この業務整理こそが真の「連携」であり、組織に更なる機能性を生み出し、お互いを輝かせる秘訣なのです。このことに上司や役職者、経営者が気づいていない企業は、いつまでたっても社員の「数や量(労働時間)」でしか問題を解決できず、組織としての成長は望めません。

【オフィス空間への応用】

ビジネスにおいても、全社員に全く同じ働き方を強要することは「ないものを探す」マネジメントに陥りがちです。周囲の喧騒の中でもコミュニケーションを取りながら成果を出す社員、部や課もあれば、一切の音を遮断した静寂の中でこそ最大のクリエイティビティを発揮する社員、部や課もあります。

画一的なオープンスペースを広げるのではなく、高い遮音性を持つスチールパーテーションで囲われた「集中スペース」や、ガラスパーテーションで仕切られた「オープンなミーティングエリア」など、多様な環境を用意することで最適化を促します。日々の業務はゴールの見えない短距離走ではなく、適切なペース配分が求められる長距離のランニングのようなものです。社員一人ひとりが、自分の足に最もフィットするお気に入りのシューズを選ぶように、自らの強みを最大化できる環境を選べるオフィスこそが、強い組織の土台となります。

3.強い組織を作る「聞く力」とコミュニケーション空間

 優れた組織を牽引するリーダーの条件とは何でしょうか。福田氏は、森保監督や川崎フロンターレで数々のタイトルを獲得した鬼木達監督の共通点として「人の話を聞く力」を挙げています。マネージャーの基本は、人に寄り添い、話を聞き、最後に少しだけ背中を押してあげることです。福田氏自身は、「自分は喋ってばかりで聞けないから監督には向いていない」とユーモアを交えて自己分析しています。

特筆すべきは、鬼木監督が川崎で確固たる実績を残しているにもかかわらず、偶然乗り合わせた新幹線の道のりを経て東京駅で待ち、福田氏に対して謙虚に意見を求めたというエピソードです。そこには、チームをより良くしたいという貪欲な野心と、誰からでも学ぼうとする謙虚さが同居していました。

【オフィス空間への応用】

経営者やマネージャーが「聞く力」を発揮するためには、本音を引き出せる空間のサポートが不可欠です。重厚な役員室や、緊張感のある大会議室だけでは、現場のリアルな声や若手の斬新なアイデアは拾えません。

ローパーテーションで緩やかに区切られた1on1ミーティング専用のスペースや、通りがかりに自然と立ち話ができるようなマグネットスペース(社員が引き寄せられる空間)を意図的にレイアウトに組み込むことが重要です。経営層が自ら歩み寄り、社員の情熱や野心を「聞く」ための空間デザインは、組織の心理的安全性を高め、一体感を醸成する強力な武器となります。

4.空間を「仕切る」ことで生まれる新たなチーム力

 ここまで、社員の「役割」を明確にし、「得意」に特化させることが最強のチームを作る条件だと解説してきました。

オフィスの内装創り(空間作り)においても、これと全く同じ法則が当てはまります。

その理由は、空間にも「明確な役割」を与えなければ、そこで働く社員は最大限のパフォーマンス(得意)を発揮できないからです。

多くの日本企業のオフィスは、仕切りのない広大なオープンスペースにデスクを並べただけの、平均的で画一的な空間になりがちです。これは、すべての社員に「平均的な働き方」を求める、かつての日本企業のマネジメントスタイルそのものです。

しかし、プロフェッショナルな社員たちがそれぞれの「得意(専門領域)」に特化して働くためには、業務内容に応じた多様な環境が必要です。

データ分析や企画立案など、個人の「得意」に深く集中するための静かな空間

お互いの「苦手」をカバーリングし合うための、活発なコミュニケーションを生むコラボレーション空間

機密情報を扱い、確実な実務を遂行するためのセキュリティが担保された空間

このように、オフィス内の各スペースに「役割(目的)」を明確に持たせることが、社員が自身の役割を全うするための絶対条件となります。空間の役割が明確であれば、社員はその空間の目的に合わせた「目標(今日はここで集中して企画書を仕上げる等)」を持って働くことができ、生産性は飛躍的に向上します。

画一的なオフィス空間で社員のモチベーションや機能性が上がらないのは、空間に対する「役割の明確化」と「適材適所の配置」が行われていないからです。

まとめ|空間の役割を明確にする「パーティション」の力

 限られたオフィス面積の中で、どのようにして各空間の「役割」を明確にし、多様な働き方をカバーリングし合う環境を作ればよいのか?

その最適解が「パーティション(間仕切り)」の活用です。

パーティションは、単に空間を物理的に区切るだけの壁ではありません。空間に「役割」を与え、働く人々の心理的なスイッチを切り替える重要なツールです。

• ★アルミパーティション・スチールパーティション・ガラスパーティションを目的や用途別に設置し、開放感を保ちながらも「ここは会議に集中する場所」という役割を可視化する。

• ★吸音性の高いパーティションで囲い、個人の専門スキルを極限まで高める「集中ブース」を創出する。

• ★ローパーティションを活用し、チームの連携(カバーリング)をスムーズにする緩やかなゾーニングを行う。

パーティションによってオフィスの業務整理(ゾーニング)を行うことは、まさにプロの監督が選手の配置や役割を最適化するのと同じです。空間ごとの機能性が増すことで、社員一人一人が輝き、チームとしての勝つためのサイクルが回り始めます。

間仕切.jpでは、企業様ごとの課題や働き方に合わせた最適な空間創りをサポートしています。従業員のモチベーションを高め、チームの機能性を最大限に引き出すオフィスの実現に向けて、まずは空間の「役割」を明確にするパーティション選びから始めてみませんか?

最適な空間作りのヒントと、目的別に選べる豊富なパーティションのラインナップは、ぜひこちらのページからご覧ください。

▼オフィス空間に明確な役割を与え、チームの連携と機能性を高める! 間仕切.jp パーティション_アイテム別一覧はこちら

監督が選手それぞれの強みを組み合わせ、ピッチ上の最適なポジションに配置して勝利を目指すように、経営トップは自社のオフィスというフィールドを戦略的にデザインしなければなりません。

「間仕切り」とは、単に空間を壁で隔てるだけのものではありません。それは、組織のビジョンを体現し、社員一人ひとりに明確な役割を与え、強みを最大限に引き出すための戦略的なゾーニングです。機能的かつ最適なレイアウトが施された空間は、デザインオフィスとして美しく映えるのみならず、そこで働く社員のモチベーションや企業への帰属意識を劇的に高めます。

あなたの会社のオフィスは今、社員の強みを引き出し、自信を与え、次なる勝利へと向かうための「最適なフォーメーション」になっているでしょうか。

オフィス移転や改修は、単なる引っ越しや設備の更新ではありません。組織の在り方を根本から見つめ直し、新たなチーム力を生み出す絶好の機会です。間仕切.jpは、累計12万件以上の施工実績と国内自社工場製造の強みを活かし、皆様の組織が持つポテンシャルを最大限に引き出す空間づくりをサポートいたします。

今回のコラムを通して、オフィス空間のレイアウトや間仕切りの活用について、何か新たに試してみたいアイデアは浮かびましたでしょうか?もしよろしければ、現在抱えられているオフィス環境の課題や、理想とする働き方のイメージについて、間仕切.jpにご相談ください。

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