目次
- 1. 防火区画の制限に引っかからないパーティションとは?
- 2. 原状回復が求められる物件で使えるパーティションの種類は?
- 3.消防署からNGが出ないパーテーション設計とは?
- 4. 消防法の観点から見た、天井までのハイパーティション設置の注意点
- 5. 消防設備(スプリンクラーや報知器)とパーティション設置位置の調整ポイント
- 6. 倉庫やトランクルームで求められるパーティションとは?
- 7. パーティションは建築?家具?設計・施工の考え方の違いとは?
- 8. ビル管理会社との打ち合わせで確認しておくべきパーティション関連項目
- 9. 短期でも対応可能なパーティションの特徴とは?
- 10. 内装制限や法令順守を踏まえたパーティション業者選定のコツとは?
- まとめ|プロパティマネジメントを支える「施工型パーティション」活用のポイント
- パーティションFAQ よくある質問
プロパティマネジメント(PM)とは、ビルオーナーやアセットマネジャー(AM)に代わり、不動産資産の経営を包括的に管理する業務です。
不動産業におけるアセットとは、英語で資産や財産を意味する意味で、不動産事体など投資対象となる資産をさします。アセットマネジャー(AM)とは、投資家や不動産オーナーに代わり、利益の最大化を目的に、投資家の資産を管理します。
プロパティマネジメント(PM)の主な目的は、テナントからの賃料収入を最大化し、管理費や維持費などのコストを適正化することで、収益性を高め、資産価値の向上を図ることです。具体的には、テナントの募集・契約管理、賃料設定・改定、空室対策による稼働率向上などで収入を増やします。一方、管理費の見直し(清掃や警備の効率化)、設備の予防保全(長寿命化で修理費削減)、保険や法規制対応によるリスク軽減などで費用を最適化します。これにより、純収益(NOI)を最大化し、資産評価を上げることで、売却時や融資条件の改善にもつながります。
PMは戦略的な資産運営が核心で、ビルの長期的な価値向上を目指します。
類似用語としてBM(ビルディングマネジメント)がありますが、BMとは、施設の日常的な運営・維持(清掃、設備点検、警備など)に焦点を当てた現場業務です。
PMが「資産全体の経営戦略」を担うのに対し、BMは「建物の物理的な維持管理」を専門とするため、PMの一部として位置づけられることが多いです。
また、FM(ファシリティマネジメント)とは、テナント向けの快適性・機能性の向上(エネルギー管理、スペース活用)を主眼とし、AM(アセットマネジメント)はより高次元の投資判断(ポートフォリオ戦略、資金調達)を扱います。
PMはAMの指示を受けつつ、BMやFMを統括する実務レベルで、オーナーの利益を最前線で守る役割を果たします。総じて、PMは不動産の収益構造を最適化する「現場の司令塔」であり、専門知識と総合的な調整力が求められます。
間仕切.jpには、プロパティマネジメント(PM)事業社からも、パーティション工事に関してのお問合せがいただきます。よくあるご質問をご紹介させていただきますので、ビルやテナントの内装間仕切工事の際の参考にしてください。

1. 防火区画の制限に引っかからないパーティションとは?
パーティションを設置する際にまず確認すべきは、防火区画との関係です。特にオフィスビルや商業施設、トランクルームや実験室や調理室や各種加工場などでは、建築基準法により防火区画の制限が定められており、これに適合しないパーティション設計は是正指示の対象となることもあります。
防火区画とは、火災時に炎や煙の拡散を防ぐために建物を区切るための空間構成であり、天井や壁と密接に関連しています。パーティションが防火区画を貫通したり、スプリンクラーの遮蔽、煙感知器の感知妨害を引き起こしたりすると、消防検査でNGとなる可能性が高くなります。
そのため、パーティションを設計・選定する際には、
- 1.天井部分の上部空間まで塞ぐのか、隙間をもうけるか?
- 2.不燃材仕様のパネル選定
- 3.防火区画を避けるレイアウト設計
などの選定と工夫が求められます。
間仕切.jpでは、建築士や施工管理技士が設計段階から法規制に対応したアドバイスを提供いたします。建物ごとの防火図面や設備図面をもとに、安全かつ機能的なパーティション施工をご提案しています。
2. 原状回復が求められる物件で使えるパーティションの種類は?
賃貸オフィスや商業テナントでは、契約終了時に「原状回復」が義務付けられているケースが大半です。このため、パーティションの設置にあたっても、取り外しや復旧がスムーズに行える仕様が求められます。
建物によっては「床のアンカー固定NG」や「天井接続不可」などの規制があるため、初期の段階で建物管理者と仕様をすり合わせる必要があります。
プロパティマネジメント(PM)業務において、原状回復が求められる賃貸物件では、施工型パーテーションの活用が極めて有効です。特にテナントの入退去が頻繁なオフィスビルなどでは、内装の柔軟性とコスト効率が求められます。施工型パーテーションは、LGS(軽量鉄骨下地)による造作壁と比較して、施工の自由度が高く、撤去や再利用がしやすい点が大きなメリットです。
LGS造作壁は構造的に安定性があり、遮音性・耐久性に優れている反面、撤去には時間と費用がかかり、廃材処理も必要となります。そのため原状回復時には追加コストが発生しやすく、PM側にとってはリスクとなることもあります。一方、施工型パーティションは、製造工場であらかじめ製作された部材を現場で組み立てる方式であるため、施工がスピーディーかつ解体時の廃棄物も少なく、環境にも配慮された設計が可能です。
さらに、最近では防火・防煙・遮音といった機能を備えた高性能なパネルも登場しており、LGS壁に劣らない性能を確保しつつ、再利用性という観点でPM業務と相性が良くなっています。ただし、デメリットとしては、LGS造作壁に比べると形状の自由度や造作加工の細やかさには制限があるため、完全なオーダーメイドを求める場合には不向きなケースもあります。
とはいえ、長期的に見たコストコントロールや資産維持の観点からは、施工型パーティションは非常に理にかなった選択肢です。建物の用途や入居テナントの業種に応じた柔軟な内装対応が可能となるため、PM担当者にとっては物件価値を最大化する有効なツールとなるでしょう。
間仕切.jpでは、解体・原状回復工事にも強い施工型パーティションの特徴で、復旧コストも最小限に抑える仕様選定などでご支援が可能です。契約期間に応じたコストパフォーマンスの高いご提案をお届けします。
3.消防署からNGが出ないパーテーション設計とは?
消防法に基づくパーテーションの設計には、特に注意が必要です。消防署の立入検査や届出時に不備があると、設置後の是正指導や工事やり直しが必要になることもあります。
消防的観点で避けるべきNG例としては:
- スプリンクラーの放水を遮る設計
- 火災報知器の感知範囲を妨げる構造
- 避難経路を塞ぐパーテーション設置
これらに対して、「天井開放型パーテーション」や「スプリンクラー下端より低く設計された壁高」、「感知器や表示灯との連動設計」などで対応することが一般的です。
また、所轄消防署によって見解や運用が異なるため、事前の相談や設計図面の提示が非常に有効です。
間仕切.jpでは、専門スタッフが設計・届出対応も含めてサポートいたします。
4. 消防法の観点から見た、天井までのハイパーティション設置の注意点
天井まで届くフルハイトタイプのパーテーションは、遮音性や独立性に優れている一方、消防法上の制約が多く、慎重な設計が求められます。
主な注意点は以下の通りです:
- 1.スプリンクラーの追加設置または移設が必要になる場合がある
- 2.感知器の感知範囲が制限されると増設が求められることがある
- 3.天井裏の配線やダクトの通気確保の確認
これらに対応するためには、建物全体の設備図・防災図面の把握と、消防署との事前協議が欠かせません。設備業者や設計者との連携も重要です。
間仕切.jpでは、フルハイト施工時の現地調査を徹底し、スプリンクラーや感知器の再配置も含めたトータルプランをご提案します。安全性と快適性を両立させた空間づくりをサポートします。
5. 消防設備(スプリンクラーや報知器)とパーティション設置位置の調整ポイント
パーテーションの設置において、スプリンクラーや火災報知器といった消防設備との取り合いは、法令遵守と安全確保の両面から極めて重要なポイントです。
一定規模以上の事務所やオフィスビルではスプリンクラーの設置が義務化されており、消防法では「スプリンクラーヘッドの水平方向30cm以内、垂直方向45cm以内に障害物を置いてはならない」といった具体的な基準が定められています。
また、感知器の作動範囲に遮蔽物が入ると、火災を正しく感知できず、検査で是正指示が出る可能性があります。
天井まで届くパーティション設置でも注意が必要です。これらは空間を「個室」とみなされる可能性があり、スプリンクラーの増設対象となることがあります。
一方で、パーテーションに欄間が設けられている、または天井との間に十分な隙間がある場合には、個室と見なされずスプリンクラーの追加が不要となる場合もありますが欄間の寸法サイズにも基準が定められています。
例えば、煙感知器を設置しているオフィスをパーテーションで間仕切る際、パーテーション上部に1.8m以上×0.2m以上のランマ(開口部)を設けることにより、パーテーション内部の部屋に煙感知器を追加する必要がなくなる場合もありますが、 間仕切りの位置がスプリンクラーに近い場合や、オフィスの天井が低く、開口面積があまりとれない場合などは、注意が必要です。これにより、間仕切壁や家具の配置次第で設計変更や追加設備が必要となるケースも少なくありません。したがって、パーテーション工事を検討する際には、消防設備との取り合いを考慮したレイアウト設計が重要です。
最終的には、届け出る消防署の判断に委ねられる件であることから、プロパティマネジメント業者は、消防署からの指摘や法令違反による是正命令を回避するためにも、事前に施工業者と連携し、法令に準拠した設計・施工を行うことが安全です。
間仕切.jpでは、こうした法的要件を踏まえた内装工事やパーテーション設計に対応し、現場での打ち合わせから設置後の運用まで、プロパティマネジメント業者様の安心と効率をサポートいたします。消防法を無視したままレイアウトを優先してしまうと、後からの修正工事やコスト増加につながる恐れもあるため、早い段階での専門家への相談が非常に重要です。
6. 倉庫やトランクルームで求められるパーティションとは?
倉庫やトランクルームで求められるパーティションの仕様は、安全性・機能性・コスト効率のバランスが求められます。まず、耐火性能が最優先事項であり、建築基準法や消防法に基づく防火区画を満たす必要があります。特にトランクルームでは、各ユニットを独立した防火区画とし、自火災保険適用の要件をクリアするため、不燃材料が必須です。倉庫でも構造強度が求められることもあり、スチールパーティションで堅牢性や遮音性を確保する事例もあります。
運用面では、テナントの入退去に伴う柔軟なレイアウト変更に対応するための現場測定のうえ、プラン作成からご支援させていただくケースが多いです。軽量アルミフレームや堅牢なスチールパーティションを駆使し、工期短縮とコスト削減を実現します。
セキュリティでは、トランクルームで個別鍵や電子錠で、倉庫の中でも機密スペースは、セキュリティシステムのご相談が多くあります。
コスト最適化の観点では、メンテナンス性や、パーティションカラーや素材選択が鍵となります。倉庫では厚板スチール(1.2mm以上)で耐久性を優先する場合や、トランクルームでは不燃アルミパーティションの採用で内装規制をクリアしながら、コスト抑制をはたしつつ耐火性を確保がよく選ばれます。
施行に関しては、消防署との事前調整が必須であり、適切な仕様選定は光熱費や保険料の削減を通じ、PM業務における資産価値向上にも直結します。
間仕切.jpでは、倉庫・トランクルームのレイアウトや用途に応じた設計・施工を行っており、動線や作業効率を高めるプランニングにも対応しております。
7. パーティションは建築?家具?設計・施工の考え方の違いとは?
パーティションは、建築設備なのか、それとも家具扱いなのか?実はこの区分によって、設計・施工・申請の流れが大きく変わることがあります。
「建築扱い」の場合、建築基準法や消防法の規定が適用され、設計者や施工管理者による明確な責任範囲が発生します。一方、「家具扱い」の場合は、比較的簡易な設置・撤去が可能で、申請手続きや法令の適用が緩やかになります。
判断のポイントは、天井との接続有無、ビス固定の有無、固定性の高さなどです。フルハイトタイプは建築的要素が強く、腰高タイプや簡易型は家具寄りとされる傾向があります。
設置場所の制約や建物管理規定により異なるため、「間仕切.jp」では各現場に合わせた法的準拠でPM事業者様にとって最適なご提案を行っています。
8. ビル管理会社との打ち合わせで確認しておくべきパーティション関連項目
パーティション工事を進める際には、ビル管理会社との事前打ち合わせが重要です。管理規定や防災設備との整合性を確認することで、施工後のトラブルや是正工事を未然に防ぐことができます。
具体的に確認しておくべき項目には以下のようなものがあります:
- 1.パーティション設置可否(特に天井固定タイプ)
- 2.消防設備(スプリンクラー・感知器)との干渉有無
- 3.防火区画・避難経路の確認
- 4.ビス固定や電気工事の可否
- 5.工事時間帯や騒音制限などの施工条件
これらを踏まえ、間仕切.jpでは事前調査段階からビル管理者との協議を代行し、設計から施工まで円滑に進行できる体制を整えています。
9. 短期でも対応可能なパーティションの特徴とは?
急なレイアウト変更や短期間でのプロジェクト対応において、パーティション工事のスピード施工はPM事業社にとっても強みとしてご活用いただけます。特に、繁忙期の移転・新設案件や急な事業拡大への対応では「短納期対応」が求められます。
そのためには、「モジュール化された部材」「自社工場での事前組み立て」など、現場での作業時間を最小限に抑える設計がカギとなります。
間仕切.jpでは、パーティション専門メーカーアイピック株式会社の直販サービスとして、常時在庫を持った標準モジュールを活用することで、最短2〜3日での現地施工も実現可能。設計・製造・施工の一貫体制により、スピーディかつ品質の高い間仕切り施工をお届けします。
10. 内装制限や法令順守を踏まえたパーティション業者選定のコツとは?
パーティション工事を行う際には、デザイン性や機能性だけでなく、「内装制限」や「法令順守」といった観点を無視することはできません。特に、防火・防煙・避難経路・照明・換気など、さまざまな法規制との整合性が必要です。
パネル材には不燃材料や準不燃材料などの区分があり、建物の用途や地域によって適用される基準が異なります。
さらに、防火区画を貫通する設置、天井までの仕切り、電気設備の再配置などを伴う場合は、建築確認申請や消防署への届出が必要になるケースもあります。
それら複雑な工程を管理していくうえで、1社完結のワンストップサービスのパーティション業者業者を選ぶのが安心です。
打ち合わせから施工まで専任の担当者が行うところなら、設置の目的を理解した上で適したパーテーションを提案してくれます。
建設業では営業と施工の管理会社がそれぞれ異なっている場合、引継ぎの際に希望が正確に伝わらず、そのまま施工を開始してしまうことが多々発生しています。1つの企業で打ち合わせから施工までを一貫して担当していればその心配がなく、安心して任せることができます。
また1社完結ならではと言えるのが、打ち合わせから施工までの期間です。複数の業者を介さずに施工までをスムーズに行えるため、期間の短縮ができるのです。
また、その業者が過去にどのようなタイプのオフィスを手掛けてきたかを知ることで、希望のグレードに合った業者選択ができ、問い合わせしてみたけれどこちらの意向がまったく擦りあわなかった、ということが無くなると思います。
間仕切.jpでは、設計初期段階から法令対応を視野に入れた仕様提案を行い、各種書類対応・現場調整も一括してサポート。安全で合法的なパーティション設置を実現します。

まとめ|プロパティマネジメントを支える「施工型パーティション」活用のポイント
プロパティマネジメント業務では、物件の資産価値を維持・向上させるための内装計画が欠かせません。その中でも「施工型パーテーション」は、柔軟なレイアウト変更や原状回復、そして安全面に配慮した空間設計が可能なため、PM業務において有効なツールとなります。
例えば、テナント入れ替えに伴う短期間の間仕切り変更、もしくは契約期間終了時の原状復旧においても、施工型パーテーションであれば再利用や一部改修が容易で、コスト効率にも優れています。
また、消防法や建築基準法といった法令対応が必要な場合でも、専門業者による施工型の対応であれば、適法かつ安全に対応可能です。
間仕切.jpでは、建物オーナーやPM会社との連携を重視し、法令対応、仕様提案、施工管理までを一貫して行う体制を整えています。プロパティマネジメント業務の一環として、パーテーションの有効活用をご検討ください。

フリーダイアル 0120-020-720
東京都千代田区岩本町3-8-16 NMF神田岩本町ビル6F アイピック株式会社
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